「適応障害で休職」する際の手続きの流れはご存知ですか?【医師監修】

「適応障害で休職」する際の手続きの流れはご存知ですか?【医師監修】

適応障害は、職場などの特定の環境ストレスにより気分や行動面の問題が生じ、社会生活を送ることが困難になる病気です。
本記事では、適応障害になってしまったときに休職をした方がよいかの判断基準や適応障害で休職する場合の手続き、治療の流れや療養中の自宅での過ごし方などを解説します。

前田 佳宏

監修医師:
前田 佳宏(医師)

島根大学医学部卒業。東京大学医学部附属病院精神神経科に入局後、東京警察病院、国立精神神経医療研究センター、都内クリニックにて薬物依存症、トラウマ、児童精神科の専門外来を経験。現在は和クリニック院長。愛着障害やトラウマケアを専門に講座や情報発信に努める。診療科目は精神神経科、心療内科、精神科、神経内科、脳神経内科。 精神保健指定医、認定産業医の資格を有する。

適応障害で休職した方がよいケース

適応障害で休職した方がよいケース

適応障害で休職した方がよいケースや状況を教えてください

適応障害で休職する目安として、気分の不調により日常生活に支障をきたしており、自身の努力により改善が難しい場合が挙げられます。

具体的な状況は下記のとおりです。

心身の不調により仕事に集中できない

朝、身体が動かず出社できない

不眠や食欲不振などが出ている

こういった状態は、仕事上のストレスにより精神が限界を迎えているサインの可能性があります。休職をして不調の原因から離れることが、症状の悪化を防ぎ心身の回復の鍵です。

適応障害でも仕事を続けてもよいですか?

適応障害になったら必ず休職しなければいけないわけではありません。適応障害でも仕事を続けることは可能です。

しかし、適応障害は、特定の原因により情緒に問題が生じている状態のため、適応障害の原因となっている要因が職場にある以上は、その要因ををなくさない限りは状態が改善されません。
無理をして仕事を続けると、精神的な負荷が大きくなり、うつ病などほかの精神疾患につながるリスクもあります。

適応障害でも仕事を続ける場合には、適応障害の引き金となった要因を見定めて、仕事の負荷を減らしてもらう、異動願いを出すなどの対策が必要です。上司や人事に相談し、状況のシェアをおすすめします。

適応障害で休職するかどうかを医師が決めることはありますか?

主治医の診断書があると休職の手続きを進めやすいことは事実ですが、休職を最終的に決めるのは、医師ではなく会社です。
会社が産業医を置いている場合には、産業医が主治医の診断書をもとに、従業員の心身の状態を評価し、業務をするに耐えるかを検討します。また、社内環境や従業員の業務内容を確認し、適応障害の原因となっていることを特定、企業に改善を提案します。

医師が従業員の健康状態を評価した内容を踏まえて、会社の人事部などが休職を決めます。

適応障害で休職する場合の流れと自宅での過ごし方

適応障害で休職する場合の流れと自宅での過ごし方

適応障害で休職する際の手続きを教えてください

適応障害で休職するには、まず精神科・心療内科を受診する必要があります。
医療機関で適応障害と診断されたら、主治医に休職したいことを伝え、診断書を記載してもらいます。
次に、職場の上司や人事・総務部門などに、体調不良で精神科・心療内科に受診し、適応障害と診断されたこと、療養のため休職したいことを連絡します。
そのうえで、医療機関から発行された診断書と、職場で指定されている休職のための申請書類を提出します。

休職中は、原則として給与は支給されませんが、一部の企業では給与が支給されることもあります。休職可能な期間や休職の手続きは職場により異なるため、社内の規定を確認しましょう。
また、傷病手当金や労災の休業補償が受給できる場合は、手続きをしましょう。

適応障害で休職している間は自宅でどのように過ごせばよいですか?

適応障害で休職する場合は、自宅ではストレスの原因になったものから離れて、好きな活動をするとよいでしょう。
仕事がストレスの原因であった場合、休職中に職場のことを頻繁に考えることはおすすめできません。仕事のプレッシャーを感じてしまう場合は、仕事に関する資格の勉強なども避けた方が無難かもしれません。

音楽鑑賞や入浴、読書など、自分がリラックスできて好きな活動をするとよいでしょう。
運動は、ストレスを減らし、気分をリフレッシュするのに適しています。ウォーキングや軽いジョギングなどの有酸素運動や、ストレッチなど無理のないペースで取り入れるとよいでしょう。

また、初期の精神的な落ち込みが強い時期を超えたら、朝の光を浴びる習慣をつけると、朝起きて夜眠くなるリズムがつきます。

休職期間中の治療の流れを教えてください

適応障害の休職期間中の治療には、大きく分けて3つの経過があります。
休職して間もない時期は休養期であり、この時期は積極的な活動は控えて休むことに集中します。生活リズムもこの時期はあまり気にせず、休めるだけ休んで、動きたくなったときだけ動くような生活で構いません。

回復期は、心身が元の状態に戻ってきて、徐々に活動に身体を慣らしていく時期です。無理のない範囲で運動をするなど、日中の活動を組むとよいでしょう。
調整期は、もとの生活に戻るために、生活リズムや食事などを整えていく時期です。回復してきた頃に、心身のバランスを崩す要因となる思考の癖に気付くために、カウンセリングや認知行動療法を受ける場合もあります。

不眠や不安がある場合は、必要に応じて睡眠薬や抗不安薬が処方される場合もあります。

配信元: Medical DOC

提供元

プロフィール画像

Medical DOC

Medical DOC(メディカルドキュメント)は800名以上の監修ドクターと作った医療情報サイトです。 カラダの悩みは人それぞれ。その人にあった病院やクリニック・ドクター・医療情報を見つけることは、簡単ではありません。 Medical DOCはカラダの悩みを抱える方へ「信頼できる」「わかりやすい」情報をお届け致します。