外房御宿~勝浦沖ではこの時期浅場にアジの群れが多く回遊し、これを釣ってから泳がせてヒラメを釣るというのがスタンダードになっている。
水深は10m前後で、まさにこのアジを追って入ってきた大型を狙うからスリリング。
深場にもヒラメはいるそうだが、「御宿=浅場」のイメージが強くなり、浅場目当てで訪れる人が多いのだと御宿岩和田港の明広丸、後藤明広船長は言う。
この日は勝浦沖からスタートし、徐々に近場に戻りながら探ってくると岩和田沖で大型が連発。
結果は2kgオーバー主体に最大4kgまでを10人で21枚だった。
今後、海底が見えるような浅場を狙うことも。
さらに年明けからはイワシの回遊でまたまた大型のチャンスとなる。

年明けはイワシの回遊に期待
マアジとメアジ
朝イチのサビキ釣りではアジがメインだが、よく見るとマアジとメアジの2種が釣れていた。
目が大きいからメアジだが、エラブタにへこみがありその上部に突起がある、ゼイゴがマアジに比べ荒くない、などでも見分けられる。
食味では脂の乗りが少ない傾向にあるがマアジ同様の食べ方で普通においしく食べられる。
この日釣れたのはやや大きかったのでエサにはしなかったが、ヒラメはマアジと区別することなく食いつくと思う。

上がメアジだ
秋~冬に人気の高まるヒラメ釣り。
とくに外房~茨城にかけてのエリアで盛んだが、所変われば釣り方も違ってそれぞれの特徴がある。
またエリアだけでなく船宿によっても狙い方や釣り方に特色やこだわりがあって面白い。
ここでは外房御宿岩和田港・明広丸のヒラメ釣りを紹介しよう。
外房エリアのヒラメ釣りでもざっくりと分けて、御宿より北の大原や片貝方面では、広大な砂地に所どころに根が点在するような場所を基本的に横流しで広く探る釣り方なのに対し、御宿や勝浦方面では根周りや根の際をピンポイントで狙うような釣り方となる。
明広丸ももちろん後者の釣り方で狙う。
さらに「深い所をやるとウチのお客さんは来なくなる(笑)」と後藤明広船長が話すとおり、よほどのことがない限り冬場でも水深20m以浅の浅場中心での釣りが大きな特徴だ。
釣り場は岩和田~御宿沖、部原~豊浜~勝浦沖、やや遠くて興津沖辺りまでを守備範囲とし、小さな根の際をていねいに流して良型ヒラメを釣らせるのを得意としている。
また朝イチにサビキでアジを釣るのも特徴で、これはヒラメ釣りのエサにもなるしお土産にもなる。
もちろんイワシも積み込んであるので、万が一アジが釣れなくても安心だ。
釣果はソゲ級の小型が少ないということもあり数はトップで4~5枚といったところだが、型は2kg級がレギュラーサイズで連日4kg級も取り込まれており申し分なし。
根の際を流すということもあり、根ズレなどでのハリス切れも連日あると聞くし、「これから冬場になるともっと肉厚になってデカイのが釣れるよ」とは船長だ。

ほとんどが2kgオーバーだった
仕掛けは大型に備えた太軸バリがおすすめ
竿やリールは他エリアと同様で、ヒラメ釣りの標準的なタックルで問題ない。
サビキでのアジ釣りもヒラメ道具の流用でそのまま使える。
リールは水深が浅いので手巻きの両軸で余裕だ。
アジ釣り用のサビキはハリス1.5~2号、ハリは8~10号の6~8本バリで、全長1.5~2.4mくらいのもの。
サビキのバケはサバ皮など魚皮がいいようで、「食うときはなんでも食うけど、スキンサビキは今イチなことが多い」と船長。
安定感抜群で一番無難なのは船宿仕掛けだ。
ヒラメ用の仕掛けは市販の標準スペック品でもよいが、船宿仕掛けはハリスが1~1.2mと長め。
これはイワシに比べ遊泳力のあるアジや小サバがエサだからだ。
捨て糸の長さは50cm前後。
良型がそろう釣り場だけに、ハリスやハリは強度のあるものを使いたい。
ハリはチヌバリでは細軸すぎて強度が不安なので、ヒラメ専用バリやイセアマ、グレバリなど太軸でしっかりとしたハリがおすすめだ。
孫バリもトリプルフックではなくシングルフックをすすめたい。
親バリよりワンサイズ小さめの、イセアマやグレバリの10~12号がこのエリアの良型ヒラメには適している。
トリプルフックは掛かりはよいが、一つひとつのハリが小さいため掛かりが浅い傾向があり、ハリも伸びやすいように思う。
また飲まれたりタモ絡みすると外すのに一苦労だ。



