祖父が認知症を発症したのは、ある出来事をきっかけに、変化が見え始めたころでした。それまで穏やかに過ごしていた日常が、徐々に思いも寄らない方向へ進んでいき、家族皆が戸惑いながら対応していた時期の体験談です。
旅行後に始まった祖父の変化
祖父は、家族で県外へ旅行した際、高速道路でトイレに間に合わず、失禁してしまう出来事がありました。私は、そのころから祖父の様子に少しずつ変化が出始めたように感じました。
その後、祖父は認知症の症状が進み、家の中のさまざまな場所で排泄をしてしまうことが次第に増えていきました。トイレでできる日もありましたが、リビングやダイニング、お風呂場、玄関など、思わぬ場所でしてしまうこともありました。さらには勝手に外へ出てしまい、路上で排泄してしまったことも。
家族で相談し、家の中に内鍵を付けるなど対策をしましたが、状況は簡単には収まりませんでした。
夜中の出来事と深まる介護の負担
最も衝撃的だったのは、夜中に祖母の顔のほうへ向かって用を足そうとした出来事です。祖母はなんとか避けたものの、布団はびしょ濡れになってしまいました。
排泄は大も小もあり、家の中には独特のにおいがこもって、なかなか取れませんでした。私自身、別の部屋で過ごしていたため多少は距離を保つことができましたが、同じ部屋で生活していた祖母の負担は計り知れません。

