「食道がんの手術」で起こる”3大合併症”は何かご存じですか?手術以外の治療法も医師が解説!

「食道がんの手術」で起こる”3大合併症”は何かご存じですか?手術以外の治療法も医師が解説!

食道がん手術で起こりうる合併症

食道がんの手術は臓器や皮膚の切開創が大きく、縫合部が長くなりがちです。開胸するため肺にも負担がかかるなど、身体へのさまざまな影響が生じて重大な事態になりかねません。よく知られる食道がんの3大合併症を紹介します。

嗄声

嗄声(させい)は、手術時に声帯を制御する反回神経を触ることでおこります。声帯がうまく機能しないことによる、しわがれ声・かすれ声です。数ヶ月単位で回復しますが、症状が出ている場合は誤嚥がおこりやすいため、飲食時には少し顎を引くようにします。

肺炎

肺炎は手術後20%の方が発症するとされる合併症です。原因は、反回神経損傷による誤嚥のほか、術後の痛みによる痰排出機能の低下・気管への血流や、神経の切離・開胸手術の侵襲・喫煙の影響などが挙げられます。対応は、術前の呼吸訓練・禁煙・口腔ケアや、術後のリハビリなどで一定の予防効果が期待できます。

縫合不全

手術では食道を切除した後、胃や腸を使って新しい食道を再建します。筒状に成型した新しい食道と消化管を縫合した後は、造影検査などで状態を確認する手順です。
しかし、縫い目にほころびが生じて穴が開く場合があり、飲食物が漏れ出る縫合不全がおこります。縫合不全がおこった場合は、点滴によって栄養補給を行い患部の回復を待つ対応です。通常は1~4週間で回復しますが、ごくまれに再手術になる場合があります。

食道がんの手術以外の治療方法

食道がんの治療では、状況に応じて手術以外の治療法が適用されます。内視鏡や薬物などいくつかの種類がありますが、ごく初期に行われる内視鏡的切除以外は、ほかの治療法と併用される例がほとんどです。それぞれ個別に見ていきます。

内視鏡的切除

食道がんの治療に内視鏡が使われるのは、がんが内側の粘膜上皮と次の粘膜固有層に留まっている場合だけです。病巣の範囲が狭い場合は、内視鏡の先から輪になったワイヤを出し、吸引などでポリープ状にした病巣の根元にかけて電気で焼き切ります。(内視鏡的粘膜切除術=EMR)
内視鏡的切除のほとんどは、電気メスで周囲を切開した後粘膜下層で剥離する方法(内視鏡的粘膜下層剥離術=ESD)を採用しています。難易度は高くなりますが、広い範囲を正確に切除できる方法です。通常は静脈麻酔で、1~2日の絶食後食事を摂り始め、約1週間で退院できます。

放射線療法

放射線療法は単独または化学療法と組み合わせて、すべてのステージで根治から緩和まで広範囲に適用されます。周辺臓器への影響は手術ほど大きくはありません。
食道がんで根治を目指す場合、5~6週間の連日照射が行われます。食道機能が残せるため、切除と比べて治療後の生活への影響を抑えることが可能です。

薬物療法(化学療法)

食道がんに対する薬物療法(化学療法)では、薬物と放射線や手術を組み合わせて根治を目指す方法と、症状を緩和する目的で使う方法があります。使う薬剤はがん細胞を攻撃する薬剤と、免疫力を保護するチェックポイント阻害薬の2種類です。
状況に合わせ単独か組合せで使い、また放射線と交互や同時に使う場合もあります。薬物療法は副作用が避けられず、患者さんの理解が重要です。
進行がんや再発がんでは、CT検査などで見える部分以外にも転移している場合があります。抗がん剤による化学療法は、こうした目に見えないがんに対しても効果が期待できる治療法です。

配信元: Medical DOC

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