「江戸わずらい」で死んだ蔦屋重三郎も…現代人が陥る「謎の不調」の原因とは? 栄養士が教える“ビタミン”の真実

「江戸わずらい」で死んだ蔦屋重三郎も…現代人が陥る「謎の不調」の原因とは? 栄養士が教える“ビタミン”の真実

●水溶性ビタミン(9種類)

水に溶けやすく、水洗いやゆでこぼしをすると、栄養成分が流出しやすい性質があります。一度に多く摂りすぎても尿として排出されます。体内に蓄積できないので、毎日の食事からしっかり摂る必要があります。

・ビタミンB1
【主な働き】
糖質の代謝を促し、疲労回復をサポートします。また、神経機能を正常に保つ役割もあります。
【不足すると?】
エネルギーが作れず疲れやすくなり、脚気(かっけ)、ウエルニッケ脳症を発症する誘因に。
【多く含まれる食品】
豚肉、ウナギの蒲焼、ボンレスハム、絹ごし豆腐、玄米ごはん、タラコなど

・ビタミンB2
【主な働き】
脂質の代謝を促進し、たんぱく質の合成を手助けして、皮膚や髪、爪などの生成をサポートします。
【不足すると?】
口内炎や口角炎、肌荒れ、髪トラブルを招きやすくなります。
【多く含まれる食品】
豚レバー、ウナギの蒲焼、マガレイ、納豆、鶏卵など

・ナイアシン(ビタミンB3)
【主な働き】
糖質と脂質の代謝を助け、アルコールの分解を促進します。また、約500種類もの補酵素として活躍します。
【不足すると?】
皮膚炎や下痢を引き起こす欠乏症(ペラグラ)のリスクが高まります。
【多く含まれる食品】
カツオ、鶏むね肉、クロマグロ(赤身)、マサバ、タラコ、マイタケなど

・パントテン酸
【主な働き】
ストレスを和らげ、肌や髪の健康をサポート。エネルギー代謝の手助けもします。
【不足すると?】
手足のしびれ、頭痛などの不調や免疫力の低下を招く一因に。
【多く含まれる食品】
鶏レバー、鶏ササミ、子持ちガレイ、タラコ、納豆、アボカド、玄米ごはんなど

・ビタミンB6
【主な働き】
たんぱく質の代謝を助け、脳と神経の働きを正常に保ちます。また、ホルモンの働きを調整する働きもあります。
【不足すると?】
肌荒れ、口内炎を招きやすくなります。
【多く含まれる食品】
クロマグロ(赤身)、カツオ、牛レバー、サンマ、ブロッコリー、モロヘイヤなど

・ビオチン(ビタミンB7)
【主な働き】
糖質、たんぱく質、脂質をエネルギーに変える手助けをし、皮膚や髪の健康を保ちます。
【不足すると?】
皮膚炎や抜け毛、白髪、爪がもろくなりやすいなどの不調の誘因に。エネルギーが足りず、疲れやすくなります。
【多く含まれる食品】鶏レバー、豚レバー、鶏卵、納豆、マイタケ、スキムミルクなど

・葉酸(ビタミンB9)
【主な働き】
ビタミンB12と協力して赤血球をつくり、貧血を防ぎます。また、正常なDNAをつくる手助けをするなど、胎児の発育に関与します。
【不足すると?】
巨赤芽球性貧血を招きやすくなります。また、妊娠初期の不足は胎児の神経管閉鎖障害のリスクが高まります。
【多く含まれる食品】
鶏レバー、ウマギの肝、トウモロコシ、ブロッコリー、なばな(菜の花)、枝豆、モロヘイヤなど

・ビタミンB12
【主な働き】
赤血球をつくり、貧血を予防するため別名「造血ビタミン」と呼ばれています。傷ついた神経細胞を修復する働きもあります。
【不足すると?】
悪性貧血を招きやすくなります。植物性食品にほぼ含まれない栄養素なので、ベジタリアンやヴィーガンの人は不足しやすくなります。
【多く含まれる食品】
牛レバー、サンマ、アサリ、シジミ、ハマグリ、赤貝、カキ(牡蠣)など

・ビタミンC
【主な働き】
コラーゲン生成に関与し、ミネラルの鉄の吸収を強力サポートします。体内の酸化を防ぐ抗酸化力の高さも特徴です。
【不足すると?】
皮膚のシミやシワの誘因に。毛細血管がもろくなり出血する壊血病を引き起こしやすくなります。喫煙やストレスで大量に消費され、不足しやすくなります。
【多く含まれる食品】
パプリカ(赤)、ブロッコリー、カボチャ、ジャガイモ、サツマイモ、キウイフルーツ、柿など

疲れやすい、だるい、などの不調はビタミン不足が原因かも?

冬至のカボチャ、土用のウナギ…先人の知恵は凄かった

 これら13種類のビタミンを効率よく摂るコツは、やはり「多様な食材を食べること」。

 例えば、もうすぐやってくる「冬至」に食べるカボチャは、抗酸化力の高いビタミンA・C・E(ビタミンエース)が一度に摂れるスーパーフード。また、「土用の丑の日」のウナギも、スタミナだけでなく多彩なビタミンを含んでいます。

 日本の伝統的な「一汁三菜」や、ぬか漬け・納豆・焼き魚といった朝ごはんの定番メニューは、これらビタミンを無理なく補える理にかなった食事なのです。

 年末年始の忙しい時期こそ、サプリメントだけに頼らず、旬の食材からビタミンチャージをして、元気に冬を乗り切りましょう。

冬至に食べる「カボチャ」

冬至に食べる「カボチャ」は抗酸化力の高いビタミンA・C・Eが一度に補給できる優等生!

「ウナギの蒲焼き」。

たんぱく質・脂質だけでなく、多彩なビタミンを含む「ウナギの蒲焼き」。

日本の朝ごはんの定番メニュー

ぬか漬け、納豆、焼き魚、卵…。日本の朝ごはんの定番メニューは、三大栄養素+ビタミンも補える理にかなった食べ合わせの好例です。

(野村ゆき)

配信元: LASISA

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