珍しい婚活方法というだけで相手女性は引く
身バレしたくないという気持ちは分かりますし、お仕事の立場上、写真を出すことをためらう方は多いです。とはいえ、結婚相談所では登録時に会員に「相手のプロフィールのスクショをSNS等に上げてはダメ」といった、個人情報保護の基本ルールを伝えています。私はそんな現状を隆さんへ伝えました。
「若い方はマッチングアプリなどを使うことに慣れていますので、もし仮に登録していることを学生さんに知られても『あ、そうなんだ』程度ですよ。身バレしたくないお気持ちは分かるのですが、教職に就いている方や、政治家、医師、弁護士などでも基本は写真公開しています。そんな中で、写真がなく、しかも結婚相談所経由で申し込みが来ると、『変わっている人、癖が強そうな人』って印象を真っ先に先に持たれちゃうんですよ。
『よく分からないけど試しに会ってみよう』というフットワークが軽い女性もいますが、基本的にそんな好奇心旺盛な女性は人気だから、ライバルに負けます。かといって慎重な女性は警戒して会うのをためらいます。とにかくその婚活方法だと、申し込みで印象を下げてます」
他人の人生を預かっているというのに
「そうですか。仲人からは、ネットに個人情報を出したくない人は多いし、こういうやり方もあるって説明されたんですよね」「昔はそうだったし、地方の結婚相談所だから東京に比べて、個人情報がネットに出ることに敏感な人は多かったかも。でも新型コロナ感染症拡大の影響もあって、出会いのスタンダードがマッチングアプリになっちゃったので、今はそんなこと言ってる場合じゃないんですよ」
隆さんは今の結婚相談所を退会し、Zoomで面談もできる結婚相談所に乗り換えることにしました。
他人の人生を預かっているというのに、婚活方法がアップデートされない結婚相談所には、強い問題意識を抱かざるを得ません。隆さんの4年間は帰ってこないのです。
隆さんは結婚相談所を選ぶときに「大手より個人経営の方が手厚いサポートがあるかも」と思ったそうです。たしかに大手より手厚いサポートがある中小結婚相談所はあるけれど、それはごく一部。9割以上の中小規模の結婚相談所のサービスは、じつは大手以下なのです。
※相談者のプライバシー保護のため、一部情報を変更しています。
<文/菊乃>
【菊乃】
恋愛・婚活コンサルタント、コラムニスト。29歳まで手抜きと個性を取り違えていたダメ女。低レベルからの女磨き、婚活を綴ったブログが「分かりやすい」と人気になり独立。ご相談にくる方の約4割は一度も交際経験がない女性。著書「あなたの『そこ』がもったいない。」他4冊。Twitter:@koakumamt

