母を反面教師に成長
その反動か、私自身は落ち着いていてシンプルなスタイルを好むように。
それを見た母には
「あなた、地味すぎない!?」
「若いのだから、もっとファッション楽しんだら?」
と言われましたが、
「母みたいに目立ちたくない」
という思いが強く、母を反面教師に成長していきました。
「昔はギリギリだった」母の意外な告白
時が流れ、私は家を出て社会人になり、やがて結婚して母になりました。
仕事をして、家事をして、子育てをする毎日は充実していましたが、家族を優先した忙しい日々に、自分を見失っていくような感覚もありました。
そんなある日、帰省した時のこと。
たまたま母と二人で台所に立つと、母が唐突に
「昔は、毎日が本当にギリギリでね」
と笑いました。
「仕事も家事もたくさん、あなたもまだ小さくて。義理の両親とも一緒に暮らしたでしょ、なかなか気の休まることがなかったの」
「でもね、自分で稼いだお金で、好きな服を買ってお洒落した時だけは、不思議とちょっとだけ息ができたのよ」
「派手って言われても、あれがお母さんのご褒美だったの。目一杯お洒落をすることで、今日も頑張れそう、って自分を励ましてたのよ」

