危険を冒して、カブールの施設へ猫を輸送

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何度も電話やメールでやり取りした後、彼はついにKoshkaを引き取って米国へ輸送してくれるという「Afghan Stray Animals League(アフガン野良動物連盟)」(略称ASAL)を見つけることができました。
でもその前に首都カブールにある保護施設へ猫を運ばなければなりません。軍の護送車に乗せることは到底無理でした。あと1週間で任務が終了するJesseさんは、非常にあせりました。
しかし幸いなことに、地元の通訳の男性が家族を訪ねるために休暇を取って、カブールまで猫を運んでくれることになったのです。もしタリバンが米軍に協力したこのアフガニスタン人を検問所で捕まえてしまったら、猫も彼も殺されてしまうでしょう。
「通訳の彼にとって相当危険なことでした。本当に勇敢な人です。猫は鮮やかな紫色のハーネスを着け、米国製のキャリーバッグに入っていて、目立つ存在でしたからね」と振り返るJesseさんです。
長い旅路を経て、米国の家族の元へ

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数日後にKoshkaはカブールに到着し、さらに1ヵ月後に米国へ輸送されました。カブールからパキスタンのイスラマバードへ飛行機で運ばれ、そこからヨーロッパを経由してニューヨークへ、そして最終的にオレゴン州ポートランドへと向かう長旅でした。費用は約3000ドル(約47万円)かかりましたが、Jesseさんの両親や友人たちが負担してくれました。Koshkaにとってはストレスの大きな旅路でしたが、これでやっと人間の家族と一緒になれたのです。
2013年2月、JesseさんとKoshkaにオレゴン動物愛護協会から「ダイヤモンドカラー・ヒーロー賞」が贈られました。この賞はペットと人のすばらしい功績を表彰するもので、その「無私無欲と勇気」が評価されました。このときJesseさんは「わたしたちが動物を救うこともありますが、逆に動物が私たちを救ってくれることもあるのです」とコメントしています。
さらに2013年11月、KoshkaはASPCA(米国動物虐待防止協会)のキャット・オブ・ザ・イヤー賞を受賞しました。同年末、Jesseさんは8年間の兵役を終えて米軍を退役しました。その当時、彼は「今後は介助犬の訓練士をめざします」と語っていました。

