「予算厳しい、出ていって」更生保護施設で"早期退所"要請、委託費不足の影響「無視できない」市議が議会で問題視

「予算厳しい、出ていって」更生保護施設で"早期退所"要請、委託費不足の影響「無視できない」市議が議会で問題視

●「更生保護施設の役割、非常に大きい」

矢部議員は本会議の一般質問で「国立市はこうした状況を把握しているのか」「実際に施設や利用者から相談や支援などに影響はあったか」と質問した。

これに対して、国立市の健康福祉部長は、市内にある更生保護施設から現時点で相談や連絡は寄せられていないと説明。「仮に施設を出てお困りの方がいた場合、あるいは出所後に居所でお困りの方が市につながった場合は、丁寧に相談を受け、専門機関との連携の中で対応等をおこなっていく」と答弁した。

矢部議員は「更生保護施設が果たしている役割は非常に大きい。今後とも、罪と罰のあり方、社会復帰と再犯防止のあり方について、より大きな枠組みでの積極的な行動をお願いしたい」と結んだ。

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●法務省は補正予算要求 しかし「現在の水準が低い」の声

委託費不足をめぐっては、出所者の社会復帰を支援する関係者らから「再犯が増える」「つぶれる施設が出てくる」といった声が相次ぎ、全国更生保護法人連盟が法務省保護局長に対して、財源確保を求める緊急要望書を提出した。

その後、平口洋法務大臣が衆院法務委員会で「補正予算をすでに要求した」と表明。年度内の不足分は補填される可能性が高まった。

ただ、「そもそも現在の委託費の水準が低すぎる」「来年度以降も予算を減らされるのではないか」といった不安が現場に広がっており、予断を許さない状況が続くとみられる。

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