離婚はしたくないと懇願する夫
私の言葉に、博也は震えだしました。
「ごめん、もういい。見たくない、全部…全部僕が悪かった。お願いだから、許してほしい。離婚だけは、離婚だけは勘弁してくれ…」
博也は泣きながら、再び土下座を繰り返します。私だって妊娠中に離婚なんてしたくない。でも、このまま許して、以前と同じ関係に戻れるわけがない。
でも、今、私はこの関係の主導権を握りました。それを今すぐに手放して離婚するよりも、自分にメリットがある道を選びたいと考えたのです。この夫を、タダで自由にさせるわけにはいきませんから―――。
あとがき:罪を認めさせた冷徹な審問
博也の情けない土下座は、彼の保身の現れであり、アンリの怒りを鎮めるものではありませんでした。
離婚を恐れ、泣きながら許しを請う博也の姿は、裏切り者が払うべき代償の序章にすぎません。アンリの頭の中では、すでに冷徹な「契約書」が完成していたのです。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています
記事作成: ゆずプー
(配信元: ママリ)

