【漫画】男子校吹奏楽部のコンクール、戸惑いと笑いに満ちた一日に「男子校のあるある事情がとてもリアル」

【漫画】男子校吹奏楽部のコンクール、戸惑いと笑いに満ちた一日に「男子校のあるある事情がとてもリアル」

コンテくんさんの『男子校の生態』が話題
コンテくんさんの『男子校の生態』が話題 / Ⓒコンテくん/KADOKAWA

コミックの映像化やドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回は、今年3月にKADOKAWAから『男子校の生態』第3巻を発売、個性派男子校生のゆる日常エッセイ『男子校の生態』をピックアップ。

カドコミで連載中『男子校の生態』の作者であるコンテくんさんが8月2日に本作をX(旧Twitter)に投稿したところ反響を呼び、3,000以上の「いいね」が寄せられ話題を集めている。この記事では、作者のコンテくんさんへのインタビューを中心に、シナリオ面のこだわりや創作の裏側を語っていただいた。

■吹奏楽コンクールの舞台裏
『男子校の生態』3巻より「はじめての吹奏楽コンクール。」(1/20)
『男子校の生態』3巻より「はじめての吹奏楽コンクール。」(1/20) / Ⓒコンテくん/KADOKAWA


舞台は2000年代初頭の吹奏楽コンクール。男子校吹奏楽部は楽器を出しユニフォームに着替え、音出しや曲練を経て舞台袖に立つ。中学1・2年は出場せず聴き手として参加し、礼儀正しすぎる他校や女子校との交流に戸惑いながらも経験を積んでいく。

課題曲と自由曲に挑む先輩たちの演奏、他校の多彩な選曲、パンフに載った旧友の名前、楽譜の書き込みによる笑いも交え、会場の熱気は高まる。表彰式では金賞・銀賞・銅賞が発表され、男子校の野太い声援と女子校の華やかな声が響く中、普門館を目指す青春の一日が描かれる――。

物語を読んだ人からは、「ひたすらに面白く、愛おしく、清々しく、バカバカしく」「著者が過ごした唯一無二の青春期。羨ましい!」「シンクロ率高かったので買ってみたら母校だった」「クスッとわらわせてくれる」「男子校のあるある事情がとてもリアルって思う」「リアルな感じがとても良い」「女子校出身の私と娘には未知の世界」など、反響の声が寄せられている。

■吹奏楽部の「本番前の動き」を取材でリアル再現
『男子校の生態』3巻より「はじめての吹奏楽コンクール。」(2/20)
『男子校の生態』3巻より「はじめての吹奏楽コンクール。」(2/20) / Ⓒコンテくん/KADOKAWA

――本作では吹奏楽部の「本番前の動き」が丁寧に描かれていますが、取材やご自身の経験をもとにした部分はありますか?

今回の漫画は、知っているようで知らない「吹奏楽の世界」をじっくり描こうと思ったので、吹奏楽部員にとっては当たり前の「本番前の動き」も丁寧に描こうと考えていました。

取材は母校吹奏楽部の先輩・後輩・同級生それぞれに聞いて進めました。僕はホルンという金管楽器担当だったのですが、取材を進めるうちに木管楽器や打楽器では本番前の動きが少し違うことに気づき、改めて面白いと思いました。

一人ひとり本番前の向き合い方も違っていて、自信にあふれるタイプの子もいれば、とても緊張しやすい子もいる。当時は知らなかった同級生の気持ちを知ることができ、個人的にエモーショナルになりました。

――部員たちが「審査発表」を聞くシーンでは、緊張や熱狂がとてもリアルに表現されています。この場面を描く際の工夫を教えてください。

男子校目線だといくらでも描けるのですが、当時客観的に見たときに僕たちの様子はどうだったのかと思い、他校の吹奏楽部員にも取材しました。

やはり男子校は吹奏楽界隈では異質だったようで、表彰式での低音を響かせた声援は目立っていたみたいです。僕たちからすると、共学や女子校の甲高い声援はとても珍しく、たまに「先生ありがとうー!」と叫んでいる女子を見て、みんなで癒されていました(笑)

――「金賞」の描写では、吹奏楽コンクール特有のルールを詳しく再現されていましたが、どこまで実体験や資料をもとにしているか、教えてください。

実体験100%で描きましたが、地方によって微妙に違うところもあるようなので、そこは少し取材しました。僕の県では金賞を「ゴールド金賞」と呼んでいましたが、「金賞ゴールド」と呼ぶところもあれば、「A金賞・B銀賞・C銅賞」と分けたり、「金賞のときは発表する人が手を挙げる」といったルールもあり、面白かったですね。

――本作のキャラクターは人間味あふれる描写が印象的です。キャラクター造形で大切にしていることを教えてください。

基本的に実在する同級生や先輩・後輩をそのまま描いているので、当時の雰囲気が伝わるよう意識しています。

お調子者の坂東くんは体育の授業にカチューシャをつけていたり、背が高い加地くんは制服の下にパーカーを着込んでいたりしたので、それをそのまま描いています。サイン会でファンの方と対面すると「コンテくんは絵のまんまですね!」と言っていただけるので、雰囲気を描くことは一応成功しているようです(笑)

――長丁場のコンクールを舞台にした群像劇を描くうえで、特に大変だったシーンはどこか教えてください。

合奏シーンは特に大変でした。担当しているホルンは楽器の構造や指と音の関係を把握していますが、他の楽器は完全には把握していないので、間違いがないかしっかりチェックしました。

どうしてもわからないところは、その楽器を吹いている同級生や現役の子に聞きました。描くのは大変ですが、描き上げたときの達成感もひとしおでした。

――最後に作品を楽しみにしている読者やファンの方へメッセージをお願いします。

「男子校の生態」を読んでくださりありがとうございます!

現在、新作を描くために取材を重ねており、最近では吹奏楽コンクールの中国大会にも行ってきました。やはり吹奏楽部の夏は熱かったです。コンクールの続きも漫画で描こうと思っているので、楽しみにしていただけると嬉しいです。

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