1.鳴き声問題
1つ目は、鳴き声問題です。
愛猫家の立場では、猫の鳴き声は、リラックス効果、プラスアルファの力を持っています。クサクサした気分も、その声を聴けば、一瞬で吹き飛びます。
ところが、猫にまったく関心のない人にとっては、やかましく鳴かれると、耳を塞ぎたくなるほど不愉快に聞こえてしまいます。
たとえば、飼い主さんの留守中、寂しさのあまり、分離不安症状態に陥った愛猫が、しきりに「ぬぉわーん!」と連呼し続けたら、どうなるか?
おそらく、まわりに暮らすご近所さんは迷惑に感じ、「何とかしてくれないか!」と叫びたくなるところでしょう。猫の声はトーンが高く、ちょっとした音量でも非常に響きます。特に集合住宅の場合は、日常生活に問題が生じるほどのストレスレベルです。
猫が頻繁に鳴くのは、ほとんどのケースで何らかの要求を含んでいる、と考えられています。ゴハンのおねだりをはじめ、甘えたい気持ち、トイレの不満、寝床の不備(寒い、暑い)など、そのときどきで内容も変わります。
上記の鳴き声は「要求鳴き」と言われ、飼い主さんが愛猫の変化、ストレスにいち早く気づき、適切に対処することが大切です。分離不安傾向の愛猫には、お留守番トレーニングに根気よく取り組む、知育玩具(一人遊びできる)を活用する方法もあります。
また、発情期の鳴き声に困るようであれば、去勢・避妊手術も視野に入れておきましょう。大事な決断なので、愛猫のことを第一に考え、慎重に検討することが重要です。
2.着地音などの物音(猫の大運動会が始まったら…)
2つ目は、猫が立てる物音問題です。
みなさんもご承知のように、猫は音を立てずに歩きます。しかし、キャットタワーなどの高所からの着地音は、「ドタッ!」と意外なほど大きな音が出ます。仮におうちがマンション住まいであったなら、階下の住民も思わず天井を見上げるくらいです。
とりわけ、猫の物音が激化するのは、例の夜中の大運動会です。同居猫を巻き込んだ目にも止まらぬ追いかけっこは、単館上映のショート・ムービーになるほど。走る、飛ぶ、モノを倒すなど、持ち前の運動能力を駆使して、エキサイティングに立ち回ります。
「また始まったか…」と飼い主さんは半ば呆れ顔ですが、とりわけ、おうちの真下に暮らす人にとっては、ただの災難であり、迷惑でしかありません。最悪の場合、不眠症になる恐れもあります。追い込み中の受験生も不眠が祟って、志望校に落ちてしまうかもしれません。
夜中の大運動会には、薄明薄暮性の動物ゆえの衝動、日頃溜まったストレス、運動不足を解消する、という猫なりの事情があります。多くの場合、猫側の問題のように見えて、実は、飼い主さんとの関わり方がご近所トラブルに発展しているわけです。
この問題の対策としては、次の方法が効果的です。
こまめに時間をやりくりして、毎日、5~10分程度のおもちゃ遊びを習慣化する 飛び降りがちな場所に防音マットを敷く 倒れて壊れるものは極力置かない夜中の大運動会は、いろんな意味で、愛猫の不満の表れ、と考えても良いでしょう。ストレス過多になった飼い主さんがカラオケボックスで絶叫するのと同じです。もしボックスのドアが開けっぱなしだったら、まわりの迷惑になります。

