治療開始のタイミングと長期管理
編集部
いつから治療を始めるのがよいですか?
中島先生
髪の細さや抜け方、分け目の透け感など違和感を覚えたなら、早めの受診をおすすめします。妊娠や出産をきっかけとする一時的な薄毛は、ホルモンバランスが戻ると改善することもありますが、更年期以降の女性型脱毛症は基本的には「様子を見ているうちに進行する」ケースがほとんどです。毛根が完全に消失してしまうと、薬剤での改善が難しくなってしまうこともあるため、できるだけ早めに専門医に相談しましょう。
編集部
治療の効果はどのくらいで感じられますか?
中島先生
ミノキシジル外用では、数カ月で発毛や太さの改善を感じることがあり、6〜12カ月で明確な変化を得られるケースが多いですが、中断すると、再び薄毛が進行する可能性があります。FPHLは慢性的な状態なので、長期的な視点に立って治療を続けることが大切です。
編集部
副作用や注意点はありますか?
中島先生
ミノキシジル外用はかゆみや頭皮の刺激感などの局所症状が見られることがあります。内服抗アンドロゲン薬を使う場合は電解質をチェックするために、定期的に血液検査をした方がよいと思います。また、薄毛治療には医療保険が使えませんので、費用については確認してから治療開始することをおすすめします。
編集部
最後に、読者へのメッセージをお願いします。
中島先生
女性の薄毛というのは、男性のものと比べてあまり社会的に認知されておらず、それゆえ周りに相談しにくかったり、どこに相談すればよいのか分からず悩みを抱えてしまったりする人もいると思います。薄毛の原因や進行の仕方は人によって異なりますので、不安や疑問を感じた場合は、一人で抱え込まず、まずは信頼できる医療機関や専門医に相談してみましょう。
編集部まとめ
女性型脱毛症(FPHL/FAGA)は進行性であり、早期発見・早期介入が重要です。治療法は現時点では外用ミノキシジルが主力ですが、植毛も選択肢になるのだそうです。「年齢だから仕方ない」「薄毛治療なんて恥ずかしい」と諦めず、気になる変化があれば専門医に相談してみましょう。
参考文献:
男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン
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