あまり聞きなじみのない脚気(かっけ)と呼ばれる病気は、どのような症状の病気かと知っている人は多くありません。
昔流行った病気として知っている人も、詳しい症状や原因については知らないという人が多いです。
ところがこの病気は昔特有のものではなく、現代に増えつつある病気になってきています。
今回は脚気とはどんな病気なのか予防法を解説します。
※この記事はメディカルドックにて『「大人の軽度知的障害の特徴」はご存知ですか?日常生活における影響も解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修医師:
小池 達也(医師)
大阪市立大学医学部卒業。現在は白浜はまゆう病院整形外科所属、骨リウマチ疾患探索研究所所長、大阪市立大学大学院医学研究科高齢者運動器変性疾患制御講座を兼務。日本整形外科学会専門医、日本整形外科学会認定リウマチ医、日本整形外科学会認定スポーツ医。
脚気を予防するポイント

脚気の予防法を教えてください。
予防法としてはビタミンB1不足を招かないようにすることです。ビタミンB1は食事で摂取が可能なため、普段の食生活を見直すことが大切です。
しかし現代はジャンクフードやカップ麺などビタミンがあまり含まれない食べ物も多く、ビタミン不足の人も稀ではありません。普段の食生活でビタミンが摂りづらいという人は、サプリメントで補うのもよいでしょう。
とくに妊娠中の方はきちんとした食生活を送っていてもビタミンB1不足になりやすいため、産婦人科で相談するとおすすめのサプリメントを紹介してもらえることもあります。
また、ビタミンB1の過度な消費を防ぐために、お酒の飲み過ぎには気をつけましょう。アルコールを体内で分解する際はビタミンB1を多く消費します。そのため、食事で多くの栄養を摂っていてもアルコール分解のためにたくさん消費すると、ビタミンB1不足になりやすいです。
脚気予防に効果的な食材は何でしょうか?
ビタミンB1を多く含む食べ物を普段から食べていると予防に効果的です。ビタミンB1を多く含む食材は次のようなものが挙げられます。
大豆
玄米
豚の赤身肉
うなぎ
ナッツ
普段から上記の食材を豊富に摂ると、ビタミンB1不足の予防へつながります。ビタミンB1はアリシンという成分と結合すると体内への吸収がよくなり、効率よく栄養素を摂ることができます。アリシンが含まれる食べ物は玉ねぎ・にんにく・にら・ねぎなどです。豚肉と玉ねぎの炒め物やにんにく入りの餃子などは、効率よくビタミンB1を吸収できるためおすすめの献立です。主食である白米を玄米に置き換えるのもビタミンB1を効率よく吸収できる方法で、ビタミンB1不足や脚気の発症を予防します。
最後に、読者へのメッセージをお願いします。
脚気は昔だけの病気ではなく、現代の豊かな食生活を送る人にも起こり得る病気です。
とくに食生活が偏っている人は予備軍かもしれません。普段の食事を見直すことで発症予防ができるため、ご自身がバランスのよい食生活を送れているか見直してみましょう。
ビタミンB1を豊富に含む食材を食事に取り入れることが難しい場合は、サプリメントを摂取するのもおすすめです。
編集部まとめ

脚気は、誰もが発症する可能性のある病気です。
しかし初期症状は倦怠感や疲労が溜まりやすいなどで、病気だと気づかずに生活を送っている人も少なくありません。
放置すると最悪の場合死に至ることもあるため、普段からビタミンB1が含まれる豚肉や大豆類を積極的に摂り脚気の予防に努めましょう。
参考文献
脚気の発生|農林水産省
低栄養-11.栄養障害-|MSDマニュアル家庭版
脚気について|メディカルノート

