ユウナさんは、夫・イオリさんと2歳の娘・ツムギちゃんの3人家族。ユウナさん夫婦は、産後の夫婦生活について悩んでいます。夫婦の愛情に身体的な触れ合いを求めるイオリさんと、性的な行為に不快感を覚えているユウナさん。価値観の違いにより、2人の心の溝は広がるばかりです。
そんななかイオリさんは、高校時代の同級生であり、イオリさんに想いを寄せているミヤさんと身体的な関係を持ってしまい、ミヤさんの家で過ごす時間が増えるようになります。
イオリさんと2人で居酒屋で飲むミヤさんは、イオリさんの離席中にイオリさんのスマホで家族写真を目にします。そこに写っているユウナさんを見て、以前ハンバーガーショップで出会った店員がイオリさんの妻であることに気がつくのでした。
ミヤさんは、イオリさんとの関係が始まったきっかけや、これまでイオリさんから要求されてきたことを思い出し……。
「ありのままの私」は望まれていない?

































イオリさんと高校ぶりに再会し2人で飲みに行った日、イオリさんから「奥さんになってほしい」と頼まれたミヤさん。
最初は自分なりの妻を演じていたものの、髪形や服装にこだわるイオリさんに違和感を抱いていました。
そしてイオリさんの妻の姿を知り、イオリさんが自分に「妻そのまま」を演じさせようとしていることに気がつきます。
イオリさんにありのままの自分を見てほしいという本心の一方で、
イオリさんが求める妻として振る舞わなければ、関係が終わってしまうと葛藤するのでした。
ミヤさんの容姿や行動をユウナさんに近づけることで、満たされない気持ちを埋めようとするイオリさん。
イオリさんの行動はミヤさんの気持ちや個性を完全に無視したものであり、長く続けるほどに相手の心をすり減らしてしまいます。
恋愛や人間関係において、理想の相手がいる人も多いでしょう。
しかし、いくら理想があったとしても、それを相手に押しつけるのではなく、まず目の前にいるその人自身を受け入れることのほうが大切なのではないでしょうか。
互いの個性を尊重し、本心を隠さず対等な立場で話し合える、健全な付き合いをしたいですね。

