若年性認知症の前兆となる初期症状
前述したように原因となる疾患により認知症の症状も異なるため、共通する初期症状はありませんが、若年性認知症の初期には記憶障害や処理能力の低下を自覚することが多いです。多くの方がまだ就業しており、仕事の処理速度が遅くなる、会議などの予定を忘れてしまうなど、認知症により仕事に支障をきたすことが多く、高齢者と比較して能力の低下を自覚しやすいです。気になる症状がある場合には、脳神経内科や脳神経外科、認知症外来を受診しましょう。
処理能力が落ちた、仕事が遅くなった
以前と比較して明らかに処理能力が落ちたり、仕事が遅くなったりした場合には、若年性認知症の初期症状である可能性があります。特に高学歴な方など、基礎的な記憶力や処理能力が高い方の場合には、認知機能が軽度低下していても認知機能が低下しているように見えない場合があります。数か月または数年以内と比較的短い期間に仕事能率が明らかに落ちるなど処理能力の低下がある場合には若年性認知症の疑いがあります。
おかしな言動や行動がある
簡単な仕事や日常生活動作はできていても、複雑な仕事ができなくなる、普段では考えられないおかしな言動や行動がある場合には若年性認知症の可能性があります。自覚症状に乏しかったり、仕事を理由に受診を拒否されたりすることもありますが、一度受診して相談するようにしてください。
ミスが多い、同じことを何度も確認する
業務内容の変更や新しい機器の導入などの際に、同僚と比較して明らかに、新しい業務に対してミスが多い、業務を覚えられずに何度も確認する場合には若年性認知症の可能性があります。新しい仕事以外はこれまで通り行うことができることも多く、受診を先延ばしにしてしまうことも少なくありませんん。しかし、周囲と自分が違うと感じた場合には、早めに受診することをお勧めします。
「若年性認知症」についてよくある質問
ここまで若年性認知症について紹介しました。ここでは「若年性認知症」についてよくある質問に、メディカルドック監修医がお答えします。
ストレスが原因で若年性認知症を発症することはありますか?
村上 友太(むらかみ ゆうた)医師
精神的なストレスや精神疾患と若年性認知症との関連に関しては報告がまちまちであり、現時点ではストレスが若年性認知症の原因となるとは言えません。一方でうつ病などの発症により認知症のような症状が出現することはあります。

