「上顎洞がん」の初期症状を医師が解説 鼻づまり・鼻血が続く場合どうしたらいい?

「上顎洞がん」の初期症状を医師が解説 鼻づまり・鼻血が続く場合どうしたらいい?

上顎洞がんの前兆や初期症状について

上顎洞がんは自覚症状が現れにくいがんです。

初期段階では鼻づまりや鼻血などの症状がみられることがありますが、副鼻腔炎の症状と類似しているため、上顎洞がんとわかりにくいことがあります。副鼻腔炎の症状は両側性であることが多いため、片鼻の鼻づまりや鼻血などの症状が数週間にわたって続く場合は上顎洞がんが原因である可能性を考えます。

進行した上顎洞がんは、上顎洞の骨を破壊して、周辺の正常な組織に広がっていきます。
がんが口側に広がると頬や歯茎の腫れや痛み、歯のぐらつきなど、上顎洞の後ろ側にある咀嚼(そしゃく)筋にがんが広がると、口が開きにくいなどの症状が現れる場合もあります。
頭側にがんが広がると目や脳に影響を与え、複視(ものが重なって見える)や眼球の突出、頭痛などの原因となる場合もあります。

このような進行した上顎洞がんでみられる症状が現れた場合は、手術による治療が難しいことも少なくありません。鼻づまりや鼻血などの症状が改善しない場合は、早めに耳鼻咽喉科を受診することをおすすめします。

上顎洞がんの検査・診断

上顎洞がんは触診や内視鏡検査、画像検査、病理検査などの検査の結果をもとに診断が行われます。

触診では腫れている部位がないか首を触って確認し、リンパ節の状態を確認します。
また上顎洞の内部を観察するために、鼻から内視鏡を挿入して上顎洞を観察し、病変の有無を確認します。

病変ががんの可能性がある場合は、病変の組織を採取して病理検査を行います。
病理検査により病変が上顎洞がんであることを確認し、確定診断となります。

歯や歯茎に痛みや腫れなどの症状が現れている場合は、口の中にがんが広がっている可能性があるため、口内を診察することがあります。

がんの大きさや他の周辺臓器への広がり、リンパ節や遠く離れた臓器の転移の有無を確認するために、必要に応じてMRI検査やCT検査、PET検査などの画像検査が行われることもあります。

配信元: Medical DOC

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