群馬県草津町の元町議、新井祥子氏が黒岩信忠町長から性被害を受けたと虚偽の告発をした事件に関連して、草津町議会は12月12日、「全国フェミニスト議員連盟」の謝罪声明(11月30日付)に対する見解を公表した。
同連盟は、新井氏が除名処分を受けた後の2020年12月、黒岩町長や群馬県知事らに宛てて抗議文を出していたが、今回の声明で「(抗議文は)議会の非民主的な運営等に対するもの」だったと釈明した。
これを受けて、草津町議会は「当議会が提示した問題点を無視された状態で当町議会を“⾮⺠主的”と断じられたことに、驚きと当惑を禁じ得ずにおります」などして、同連盟の姿勢を批判している。
●「心よりお詫び」も、抗議文は「非民主的な運営に対するもの」
この事件をめぐっては、名誉毀損と虚偽告訴の罪に問われた新井氏に今年9月、懲役2年・執行猶予5年の有罪判決が言い渡され、その後確定した。
民事裁判でも、黒岩町長への損害賠償を命じる判決が確定しており、刑事・民事の両面で「黒岩町長によるわいせつ行為はなかった」とする司法判断が固まっている。
こうした判決を受けて、女性議員の増加を掲げて活動をしている「全国フェミニスト議員連盟」は11月30日、公式サイトで「草津町長や関係者にご負担をおかけしたことを心よりお詫び申し上げます」と謝罪する声明を掲載した。
同連盟は、新井氏が除名処分を受けた後の2020年12月、黒岩町長や群馬県知事らに宛てて「新井祥子議員が町長による性被害を告発したことへの草津町議会の対応は、『性被害を告発したこと自体を否定する』人権侵害だと私たちは考えます」などとする抗議文を出していた。
この抗議文について「議会の非民主的な運営等に対するもの」だったと釈明し、その趣旨は現在も堅持する姿勢を示した。

●「驚きと当惑を禁じ得ない」
これを受けて、草津町議会は12月12日、町の公式ホームページ上で「当町議会の見解」と題する文書を掲載した。
まず、2020年当時、同連盟からの抗議文に対して、新井氏の発言の矛盾点を指摘した回答書を送付していた経緯を説明。その後、同連盟から回答がないまま今回の声明が発表されたとして、次のように指摘した。
「今回改めて、回答書内で当議会が提示した問題点を無視された状態で当町議会を“⾮⺠主的”と断じられたことに、驚きと当惑を禁じ得ずにおります」


