「先天性魚鱗癬」とは? 生まれつき皮膚が厚く硬くなる指定難病を医師が解説

「先天性魚鱗癬」とは? 生まれつき皮膚が厚く硬くなる指定難病を医師が解説

先天性魚鱗癬の前兆や初期症状について

先天性魚鱗癬では、一般的に出生後から新生児期にかけて全身の広い範囲で皮膚が厚く硬くなります。皮膚のバリア機能が障害されることで、体内にウイルスや細菌が容易に侵入して感染症を発症しやすくなったり、発汗障害によって高体温になったりすることもあります。

また、病型によっても症状が異なります。
KID症候群では、皮膚症状のほかに「感音性難聴」を認めることもあります。ドルフマン・シャナリン症候群では、運動失調や精神障害、難聴、白内障の合併を認めるケースもあります。

先天性魚鱗癬の中でも特に重症化しやすいのは道化師様魚鱗癬で、耳が変形したり唇やまぶたが裏返ったりするほか、感染症などによって乳幼児期に死亡するケースもあります。

先天性魚鱗癬の検査・診断

出生後皮膚症状から先天性魚鱗癬が疑われる場合は、皮膚生検や遺伝子検査などが行われます。

皮膚生検は皮膚の細胞を顕微鏡で詳しく調べる検査です。局所麻酔を使用して患部の皮膚を一部採取し、顕微鏡で観察します。

遺伝子検査では、採取した血液から遺伝子を取り出して先天性魚鱗癬の原因となる遺伝子の異常があるか調べます。

そのほか、皮膚以外に異常を認める場合は、該当する診療科にてさまざまな検査が行われます。

発症が認められた場合は、栄養や成長状態の経過観察のため、定期的に身体計測や血液検査が行われます。

配信元: Medical DOC

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