子宮ポリープの症状をご存じですか?不正出血は子宮ポリープが原因だったということもあります。
ここでは子宮ポリープの原因と症状について解説します。検査や治療についても触れますので参考にしてください。

監修医師:
馬場 敦志(宮の沢スマイルレディースクリニック)
筑波大学医学群医学類卒業 。その後、北海道内の病院に勤務。 2021年、北海道札幌市に「宮の沢スマイルレディースクリニック」を開院。 日本産科婦人科学会専門医。日本内視鏡外科学会、日本産科婦人科内視鏡学会の各会員。
子宮ポリープとは?
ポリープとは、皮膚や粘膜などの面から突出した、茎をもつ腫瘤のことをさします。子宮ポリープではどの部分にポリープができたかによって名称が異なります。子宮頸管ポリープと子宮内膜ポリープにわけられますので、それぞれのポリープについて詳しく説明します。
子宮頸管ポリープ
子宮頸管ポリープとは、子宮の入り口部分である子宮頸管にできたポリープのことです。頸部の上皮細胞が増殖し形成されます。大きさは3mm程度から1cm程度であることがほとんどですが、大きくなることもあり、大きくなりすぎると子宮口の外まで出てくることもあります。
良性の腫瘍でありますが、悪性腫瘍がポリープに見えている場合もあるため、切除治療をし病理検査をすることが望ましいでしょう。組織学的には全体の約0.1%が悪性、約0.5%が異形成であったとの報告もあります。
子宮内膜ポリープ
子宮内膜ポリープは、子宮の奥にある内膜にできたポリープのことです。大きさは、1cm以下から数cmまでさまざまです。
1つだけでなく、複数のポリープができることもあります。良性の腫瘍であることがほとんどですが、閉経後の女性のポリープでは、約1〜10%に子宮内膜異型増殖症や子宮内膜がんが発見されたとの報告があります。
子宮ポリープの原因
それぞれのポリープの原因と考えられている原因因子について下記で述べていきます。
子宮頸管ポリープの原因
子宮頸管ポリープの原因は明確になっていません。慢性的な炎症や女性ホルモンの影響、感染症との関連が考えられています。妊娠を経験した30〜50代の女性に発生しやすいといわれています。
子宮内膜ポリープの原因
子宮内膜ポリープの原因は明確になっていません。子宮頸管ポリープと同様に、慢性的な炎症や女性ホルモンの影響、感染症との関連が考えられています。
子宮内膜にできるポリープですので、出産や流産が原因とも考えられています。乳がんの治療薬であるタモキシフェンは子宮内膜に影響を与えるとの報告があります。
服用している閉経女性では、子宮内膜ポリープの発生率が8〜36%という報告もあります。

