子宮ポリープの症状
子宮ポリープの症状を下記に示します。ご自身にあてはまるものはないか確認してみてください。
無症状のこともある
子宮ポリープは無症状であることがほとんどです。ポリープが大きくなったり、刺激により出血したりすることで異変に気付き病院で受診するか、定期検診で偶然発見されることがほとんどです。
不正出血
子宮ポリープができることで、ポリープ部分から出血しやすくなります。ポリープが小さい状態では性交時や激しい運動後、排便時のいきみによって出血します。
出血量はそれ程多くありませんので、おりものに血液が混じり茶褐色のおりものとして認められるでしょう。ポリープが大きくなるにつれ、細胞の血流が悪くなり組織が壊死していきます。その場合、組織が繊細になりますので、何も刺激がなくても出血することがあります。
感染
子宮頸管ポリープの場合、性交時に出血することがあります。この出血自体は子宮頸管ポリープによるものであり、ポリープそのものが感染を引き起こすわけではありません。ただし、出血している状態が続くと、感染のリスクが高まることがあります。
感染する可能性のある細菌はさまざまで、大腸菌・ブドウ球菌・淋菌・クラミジアなどです。感染を起こすことでおりもの量の増加・おりものから悪臭がする・おりものの色が黄色になるなどの症状が出ることがあります。子宮頸管炎を放置すると卵管炎・卵巣炎など別の疾患につながることがあるので注意が必要です。
月経過多
月経とは、子宮のなかで厚くなった内膜が剥がれ落ちることで起こるものです。子宮ポリープがあると、通常の月経による出血だけでなく子宮ポリープも刺激を受け出血することがあります。
通常の月経だけでなく、子宮ポリープからの出血も合わさることで月経過多として認められることがあります。出血が続くことで貧血症状である立ちくらみやめまいが生じることもあるでしょう。
不妊症
子宮内膜ポリープができることによって不妊症につながる可能性があります。妊娠の成立には受精卵が子宮内膜に着床することが必要です。ポリープによって受精卵の着床を妨げてしまうことがあるので不妊症のリスクになります。
子宮ポリープの治療方法
子宮頸管ポリープと子宮内膜ポリープでは治療方法が異なります。下記ではそれぞれの治療について解説します。
子宮頸管ポリープの治療方法
子宮頸管ポリープの治療では、切除術が行われることがほとんどです。ポリープがそれ程大きくないときには、一般診療でその日のうちに数分で摘出できます。摘出にはペアンという細長いペンチのようなものでポリープを摘み、捻ることでポリープの茎を切断し治療終了です。
痛みはないことがほとんどですし、出血もその日のうちに収まることがほとんどです。ポリープの根元がしっかりとついている場合には、レーザーを使用して焼き切ることもあります。
切除したポリープは病理検査を行い良性か悪性かの判断を行います。一度切除しても繰り返すことがあるため、定期的な治療後も定期的な検査をするのがよいでしょう。
子宮内膜ポリープの治療方法
子宮内膜ポリープの治療では、子宮内膜細胞診を行い悪性がないことを確認、結果に問題がなければすぐに摘出治療を行わず経過観察をすることがあります。妊娠希望の方は不妊症の原因になりますので、すぐに摘出治療をおすすめされることもあるでしょう。
子宮内膜ポリープの摘出方法には、内膜搔爬術と子宮鏡下術があります。内膜搔爬術では、子宮をつかみ動かないようにするための胎盤鉗子と、ポリープを搔爬するためのキュレットという器具を使用し一般診療で治療が行われます。
子宮鏡下手術は、子宮用の細い内視鏡である子宮鏡で子宮内を観察しながら電気メスでポリープを切除する方法です。子宮内膜ポリープの大きさと個数によって治療方法が決定されます。
基本的に一般診療で治療できますが、入院が必要になることもあるので医師に確認しましょう。ポリープの大きさや手術の方法によっては静脈麻酔や腰椎麻酔を行うこともあります。摘出されたポリープは病理検査にかけられ、良性か悪性かの診断が必要です。悪性の場合、子宮を大きく切除する手術が必要になることもあります。小さな子宮内膜ポリープを切除した後も再発する可能性があるので、定期的に検査をするのがよいでしょう。

