「相続問題なんてテレビの中の話」、そう思っていませんか? しかし、お金や不動産のトラブルは、ある日突然、思いもよらぬ形で降りかかってくることもあります。今回は、筆者の友人が実際に体験したエピソードをご紹介します。
疎遠だった叔父の急な来訪
田舎にある実家は、両親が亡くなってから数年、空き家になっていました。
そんなある日、長年疎遠だった叔父から、突然連絡が入ったのです。
「あそこの土地は、じいさんの代に俺がもらう約束だった。だから俺の名義にする」
まさに寝耳に水。
あまりに唐突なことで、私は言葉も出ませんでした。
もちろん、両親からそんな話は聞いたことがありません。
叔父は「口約束があった」「書類もある」と強気で、早くハンコを押せと迫ってきました。
強引な要求に抱いた違和感
しかし、当然のような態度で強引に押印を迫る叔父を見ているうちに、私は強い違和感を覚えました。
なぜ今になって急に連絡を?
そして、なぜこんなに焦って押印を迫るの?
私は叔父の言葉を鵜呑みにせず、法務局へ向かいました。
そして、その土地の「登記簿謄本(全部事項証明書)」を取得したのです。
内容を確認すると、祖父から父へ正式に相続登記が完了しており、叔父の名前などどこにもありません。
抵当権などの怪しい記載もなく、法的に完全に父、そして私の所有物であることが証明されました。

