食パンの耳までしっとり食べやすい!「蒸しサンドイッチ」【やわらかcuisine】

食パンの耳までしっとり食べやすい!「蒸しサンドイッチ」【やわらかcuisine】

食べやすい一皿|「蒸しサンドイッチ」【やわらかcuisine】
食べやすい一皿|「蒸しサンドイッチ」【やわらかcuisine】 / (C)美窪たえ



体調がすぐれない、歯が痛む、なんとなく疲れを感じる日。そんな時は、自分自身や家族をいたわるための「ご自愛」ごはんを作ってみませんか? どんな時にもやさしくおいしく食べられる、食感がやわらかくて満足度の高いメニューのアイデアを持っておくと、いざという時にとても心強いものです。

note創作大賞2025「レタスクラブ賞」を受賞した、美窪たえさんのレシピシリーズ「やわらかcuisine」をお届けします。

* * *

今日作るのは、蒸気でやさしく温める「蒸しサンドイッチ」です。蒸すことによってパンがふんわりとして、食パンの耳もしっとり食べやすくなります。

蒸気で水分を与えながら温めるので、具材の水分に心を配って一工夫。こんがり焼いたホットサンドとはまた趣の違う、新しい温かなおいしさが口いっぱいに広がります。日々の食事でぜひお愉しみください。

蒸しサンドイッチ【1〜2人分】

・食パン…2枚
・アボカド…1/2個
・スライスチーズ…1〜2枚
・バター…適量(大さじ1程度)
〈ツナフィリング〉
・ツナ缶…1缶(70g)
・マヨネーズ…15g(大さじ1)
・フレンチマスタード(あれば)…小さじ1
・パン粉…大さじ1/2

おいしさポイント
なんといっても、パンを「蒸す」調理法が一番のポイントです。
また、蒸気で水分を与えながら温める蒸しサンドイッチの場合は、冷たいまま食べるサンドイッチよりも具材の水分に心配りが必要です。蒸し上がりでパンがびしょびしょにならないように、今日はツナフィリングに「パン粉」を加えて一工夫しています。
なんといっても、パンを「蒸す」調理法が一番のポイント
なんといっても、パンを「蒸す」調理法が一番のポイント / (C)美窪たえ

蒸し料理は、専用の蒸し器やせいろ以外でも、手持ちの道具を組み合わせて工夫すると手軽に愉しむことができます。今回はクッキングシートと小振りな土鍋を組み合わせて蒸しています。

■⒈ツナフィリングを作ります
ツナ缶の汁気を軽く切ってボウルに入れ、〈ツナフィリング〉の材料を全て加えてよく混ぜ合わせます。

ここでポイントになる材料が「パン粉」です。
サンドイッチ作りに具材の水分の心配はつきものですが、ツナ缶の油やスープにはツナのおいしさがたっぷり溶け込んでいて、水気を気にする余りきつく絞ってしまうと、せっかくの素材のおいしさまで大きく減ってしまいます。そこで、パン粉を少し加えることにより、ツナ缶の水分を程よく吸ってまとめてくれる効果があります。

また、あれば味のアクセントとしてマスタードを加えると、ほのかな酸味が味わいを引き締め特有の芳香におしゃれな雰囲気が増して、クリーミーなアボカドとの相性がより高まるのでおすすめです。
⒈ツナフィリングを作ります
⒈ツナフィリングを作ります / (C)美窪たえ

■⒉サンドイッチを組み立てます
2枚の食パンの片面にバターを塗ります。
アボカドを半分に切って種を除き、皮をむいて、1cm厚さに切ります。

アボカドは色味がかわいく、加熱しても水分が出にくいので、温かいサンドイッチに適したおすすめの具材。切ると酸化により黒く変色しやすいので、色止めとしてよくレモン汁を使いますが、すぐに食べる時や加熱調理の場合にはあまり気にしなくても問題ありません。

バターを塗った面にアボカドを少しずらして置き、ツナフィリング、スライスチーズを重ねて、もう1枚のパンを重ねます。
具材は中央にこんもりと置くと、断面に具材がよく見えて華やかさとボリューム感が出せます。
⒉サンドイッチを組み立てます
⒉サンドイッチを組み立てます / (C)美窪たえ

■⒊蒸します
土鍋(鍋やフライパンでも)にクッキングシートを押し込むように敷き込みます。サンドイッチを半分に切って入れ、鍋と紙との間に水を50ccほど入れて、中火にかけます。

クッキングシート(オーブンシート)は、蒸気を通して液体は通しにくいという性質があり、その特性を利用すると簡易的に蒸し器の仕組みを作ることができます。もちろん蒸し器やせいろなど専用道具があればお使いください。
⒊蒸します
⒊蒸します / (C)美窪たえ

お湯が沸いて湯気が出てきたら、蓋をして5〜6分蒸します。絶えず蓋の穴から静かに湯気が出続ける状態を保つ火加減にして(弱中火目安)蒸していきます。(ガスの場合は、紙がはみ出していると着火の恐れがありますので、余分な部分は切って蓋の中に収めるようにしてください。)

具材はそのまま食べられるものばかりのため、全体がよく温まればできあがりです。温まってくると、徐々にパンの甘い香りが辺りに漂ってくるので、それも蒸し具合の目安になります。

蒸し立て熱々を、ぜひお召し上がりください。手で持つ時はとても熱いので注意してください。
蒸し立て熱々を、ぜひお召し上がりください
蒸し立て熱々を、ぜひお召し上がりください / (C)美窪たえ

蒸気でふっくらと蒸し上がった食パンは、トーストとは全く違う表情を見せ、白くて繊細で耳までしっとりなめらか。

ふんわふわの温かいサンドイッチを一口頬張ると、まずパンの甘さが印象的です。蒸して温めることで味も香りも甘さがぐんと膨らんで、ツナフィリングやチーズの塩気との組み合わせが、冷製のツナサンドとはまるで違う方向性に感じられるのが新鮮です。例えるなら、甘みのある皮で餡が包まれた肉まんのような雰囲気。
蒸気でふっくらと蒸し上がった食パンは、トーストとは全く違う表情を見せ、白くて繊細で耳までしっとりなめらか
蒸気でふっくらと蒸し上がった食パンは、トーストとは全く違う表情を見せ、白くて繊細で耳までしっとりなめらか / (C)美窪たえ

耳までしっとりのパンの柔らかさに、アボカドとツナマヨのクリーミーな舌触りが相まって、するすると飲むように食べられてしまうやさしいおいしさです。具材はその時々で、あるものお好みのもので。

また、簡単に済ませたいけれど温かさが欲しいと言う時に、市販のサンドイッチを温めて食べるのもアイデアの一つです。蒸す一手間で生まれる新鮮な味わいを、ぜひお試しください。

美窪たえさん
美窪たえさん / (C)美窪たえ

美窪たえ|おとな料理制作室
料理家、料理する人、食べる人。J.S.A.認定ソムリエ / SAKE DIPLOMA|OLからバーテンダー・日本料理人・フレンチコックを経て「おとな料理制作室」として活動中|note創作大賞2025 メディア賞「レタスクラブ賞」受賞|『おとな料理制作室へようこそ』(ワニブックス)
▶note:美窪たえ|おとな料理制作室
▶X:美窪たえ|おとな料理制作室
▶Instagram:美窪たえ|おとな料理制作室


配信元: レタスクラブ

提供元

プロフィール画像

レタスクラブ

レタスクラブWEBは、おいしいプロのレシピ&献立が3万件以上! レシピ、料理、家事、美容、健康など暮らしに役立つ読みものや、息抜きにぴったりの人気マンガでみなさんの「調子のいい毎日」を応援します。