【高齢者】ナトリウムが不足すると現れる症状

高齢者は内臓機能が低下しており、電解質のバランスに影響を受けやすい傾向があります。さらに心不全などで利尿剤を服用していることも多く、不足に陥りやすい点が特徴です。
意識障害(錯乱、昏迷、昏睡)
初期には軽度の疲労感や反応の鈍さが見られますが、進行すると意識障害に至る可能性があります。認知症と症状が似ており、発見が遅れやすいのも注意点です。対処としては経口補水液などで水分とナトリウムを補うことですが、意識が低下している場合には無理に飲ませてはいけません。症状が進行した場合は内科、腎臓内科、内分泌科を受診し、重症であれば救急搬送が必要です。
筋肉の痙攣やけいれん発作
高齢者ではナトリウム不足により筋肉のひきつりやけいれん発作が起こることがあります。この場合は経口補水液の摂取が有効です。同時に安全な場所に移動して転倒を防ぐことが大切です。重症化した場合は昏睡など命に関わる危険があるため、救急外来や救急搬送が必要です。
頭痛・吐き気・嘔吐
頭痛や吐き気、倦怠感、元気がないなどの症状が見られることもあります。熱中症や脱水症状と関連していることも多いです。対処としては経口補水液や味噌汁などを少量ずつ摂取することが望ましいです。症状が長引く場合には内科、腎臓内科、内分泌科の受診が推奨されます。
「ナトリウムが不足すると現れる症状」についてよくある質問

ここまでナトリウムが不足すると現れる症状について紹介しました。ここでは「ナトリウムが不足すると現れる症状」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。
ナトリウムが不足する原因について教えてください。
衞藤 しおり
激しい嘔吐や下痢によりナトリウムが失われたとき、水だけを補給すると、血中のナトリウム濃度は更に低下します。
また、腎臓疾患や肝硬変、心不全などの状態では、ナトリウムと水分が体内に過剰に蓄積されますが、多くの場合、水分保持の作用が強く働くため、結果的に血中ナトリウム濃度が低下しやすくなります。更に、サイアザイド系利尿薬を服用している場合も、ナトリウム排泄が促進されることでナトリウム不足を招くことがあります。通常は軽微な影響に留まりますが、高齢者や元々ナトリウム濃度が低下しやすい人では、特に注意が必要です。

