
栽培開始150年!「くだもの王国おかやま」

岡山県では、1875年の栽培開始から現在まで、多くの先人たちが品種改良や新技術の導入を重ね、その技術を脈々と受け継ぐことで「くだもの王国おかやま」としての地位を確立してきました。2025年は、岡山県を代表する二大フルーツ、桃とぶどうの栽培が始まって、150年を迎える節目の年です。

岡山県の高品質なぶどう作りは、「マスカット・オブ・アレキサンドリア」という品種の栽培から始まり
ました。雨に弱く高温・乾燥を好むため日本での育成が難しい品種でしたが、岡山県が産地化にいち早く取り組み、日本一の生産地に。

現在では「マスカット・オブ・アレキサンドリア」で培った技術を生かし、大粒で種無しのニューピオーネ、ワインレッドの色が美しい「紫苑」、近年高い人気を誇る「シャインマスカット」などの多くの品種が栽培されており、いずれも糖度の高さや美しい房形などで高い評価を得ています。
酷暑の中でも品質確保に尽力!担当者に聞くフルーツ栽培事情
今回はぶどうの栽培について、岡山県農林水産水産部農産課に話を聞きました。酷暑が続く中でも高品質なフルーツを届けるために、生産者が取り組んでいる栽培方法の工夫や、岡山県内外で岡山産フルーツを購入できるスポット、今後の展望など……。岡山が誇る果物の魅力と、それを支える現場の努力に迫ります。
Q.全国においしいフルーツを届けるために工夫をしていることは?
A.近年の猛暑による野菜やフルーツの生育への影響が懸念されています。2024年には岡山県内でも多くの地域で猛暑日の日数を更新するなど高温になる年が多くなっています。
高温になるとピオーネは着色が進まなくなり、シャインマスカットは直接太陽光が当たる房は日焼けによる黄化が進むなど、外観品質の低下につながります。
そこで、生産現場では着色しやすくするために着果数を減らしたり、日当たりの強い位置の房には日よけの傘をかけたりするなどの対策を行っています。
着色が劣ったぶどうでも一般的に果実の品質や食味に影響はありませんが、見た目も味もおいしいフルーツを全国の皆さまにお届けするため、生産者たちは大変な苦労をしながら品質確保に努めています。
Q.岡山のぶどうはどこで買えるの?
A.岡山県が誇る高品質なぶどうを多くの方にお届けするため、最盛期には県内百貨店でのPR販売のほか、スイーツフェアなどを実施しています。また、百貨店やスーパーはもちろんのこと、2024年に岡山県総社市にオープンした大型直売所「旬感広場晴れのち晴れ」をはじめ、各直売所でも新鮮なぶどうを販売しています。
さらに、東京・新橋にあるアンテナショップ「とっとり・おかやま新橋館」の2階のレストラン「ももてなし家」では、岡山県産フルーツを使った贅沢なフェアも定期的に開催しています。
Q.栽培開始から150年という節目を迎えてのコメント
A.今年は岡山県の桃・ぶどうの栽培が始まって150年の節目に当たります。長い歴史の中で、桃の袋掛け
栽培やピオーネの無核化(種なし)技術の確立といった品種改良・技術革新を重ね、高品質な桃・ぶどう栽培を確立してきました。これから本格的にシーズンが始まります。全国の皆さまにはぜひ、歴史にも想いを馳せながら岡山県のおいしい桃・ぶどうを召し上がっていただきたいと思います。

