急性大動脈解離で急死する前に現れる症状
症状の出方には解離した血管の場所により差がありますが、「急死」に至る前に、体がSOSを出すことがあります。 どの症状も一分一秒を争うものですので直ちに救急車を呼びましょう。
突然の激しい胸や背中の痛み
最も典型的な症状で、「引き裂かれるような」「今まで経験したことのない」痛みと表現されます。痛みは解離の進行に伴って背部や腹部、下肢へ移動することもあります。
このような痛みが出現した場合、自宅で安静にすることは非常に危険ですので直ちに救急車を呼ぶべきです。
失神・意識障害
心臓や脳への血流障害が起きると、突然意識を失ったり、けいれんや意識障害が出現したりすることがあります。これらは、心臓の周囲に出血する「心タンポナーデ」や脳へ行く血管が解離することで起こる脳血流低下に起因します。
手足の麻痺・言葉が出にくい
大動脈解離が脳を栄養する血管に及んだ場合、脳梗塞のような症状(片側の手足が動かしにくい、言葉が出ない、ろれつが回らないなど)が出ることがあります。下行大動脈が障害されると、足のしびれや麻痺が出現することもあります。このような症状があれば循環器内科や心臓血管外科、救急科をすぐに受診してください。
「急性大動脈解離」についてよくある質問
ここまで急性大動脈解離などを紹介しました。ここでは「急性大動脈解離」についてよくある質問に、メディカルドック監修医がお答えします。
ストレスが原因で急性大動脈解離を発症することはありますか?
藤井 弘敦 医師
強いストレスが直接の原因になることは少ないですが、慢性的なストレスや睡眠不足などでは血圧が上がったり、血圧が不安定になったりすることが大動脈解離発症の引き金になることがあります。睡眠や休養を大切にしましょう。

