「青森県」と聞いて、何を思い浮かべますか?
真っ赤なりんご、迫力満点のねぶた祭、美しい奥入瀬渓流……。
たくさんの魅力にあふれる青森県ですが、実はまだまだ知られていない、奥深い魅力があるんです。
それは、その土地ならではの「郷土料理」。
「茶碗蒸しに栗!?」「お寿司がピンク色?」
思わずそんな声が出てしまうような、ユニークな料理が青森にはたくさんあります。
今回は、生まれも育ちも青森県の筆者が、知られざる青森の郷土料理の魅力をお届けします。
青森の数ある郷土料理の中から、驚きと美味しさにあふれた5品を厳選してご紹介します。
材料や作り方も紹介するので、ぜひご家庭で作ってみてください。
1. 刻んだ野菜たちのハーモニー 「けの汁」
まずご紹介するのは、津軽地方に伝わる「けの汁」。
大根、人参、ごぼうなどの根菜類や、ワラビやフキなどの山菜、油揚げ、高野豆腐などを、さいの目状に細かく刻んで煮込んだ、具だくさんの汁物です。
その昔、お正月に忙しいお母さんたちが、少しでも楽ができるようにと作られたのが始まりだとか。
野菜を細かく刻むのは手間がかかりますが、一度にたくさん作っておけば温めるだけですぐに食べられます。
野菜がたくさん入っているので栄養も満点!野菜嫌いのお子さんでも、細かく刻んであるので食べやすいかもしれません。
味噌で優しく味付けされた「けの汁」は、冷えた体を芯から温めてくれます。
材料(5人分)
- 大根:1本
- 人参:2本(中サイズ)
- ごぼう:約1本
- ワラビ:約1〜2束
- フキ:約3〜5本(太さによる)
- 油揚げ:75g
- 高野豆腐:400g
- 大豆(水煮または蒸し):300g
- 昆布(だし用):1本
- 赤味噌:200g
作り方
- 鍋にだし用の昆布と水を入れ、一晩おいてだしをとります。 水の量は、すべての材料がひたひたに隠れるくらいが目安。
- わらびは水から煮てそのまま冷まし、フキは水にさらして塩抜きしておきます。
- 大豆をすり鉢で細かくすりつぶします。
- ごぼうはささがき、ワラビは2cm程度の長さに切ります。大根、人参、高野豆腐、フキはさいの目に、油揚げは細かく切ります。
- だし昆布を取り出した鍋に、大根、人参、ごぼうを入れて火にかけ、じっくりと煮ます。火が通ったら、フキと高野豆腐を加えて混ぜます。
- 煮立ったら、3の大豆を入れて混ぜ、さらに煮込みます。
- 味噌を溶き入れ、ワラビ、油揚げを加えて煮込んだら完成。
2. 甘い新体験! 「栗の甘露煮入り茶碗蒸し」
「茶碗蒸しに、甘い栗?」と聞くと、驚く方も多いのではないでしょうか。
しかしこれが、青森のスタンダードなんです。
青森県の茶碗蒸しには、鶏肉やかまぼこといった定番の具材と一緒に、「栗の甘露煮」が入っているのが特徴。
プリンのように滑らかな卵液の中から、ほんのり甘い栗が出てくる……。
この甘〜い味わいが、一度食べるとクセになる美味しさです。
お祝い事や人が集まる特別な日に食べられることが多く、青森県民にとっては「ごちそう」のイメージです。
材料(5人分)
【卵液】
- 卵:5個
- だし汁:750cc
- 醤油:小さじ2と1/2
- 塩:小さじ1/2
- 酒:小さじ2と1/2
【具材】
- 鶏もも肉:100g
- 栗の甘露煮:5個
- しいたけ:2〜3枚
- かまぼこ:5切れ
- みつば:少々
作り方
- 鶏もも肉は一口大に切り、醤油と酒(それぞれ小さじ1)で下味をつけます。
- しいたけは石づきを取り、薄切りにします。
- かまぼこも薄切りにし、みつばは2cmほどの長さに切っておきます。
- ボウルに卵を割り入れ、よく溶きほぐします。冷ましておいただし汁と、醤油、塩、酒を加えて混ぜ合わせ、ざるなどで一度こします。
- 茶碗蒸しの器に、鶏もも肉、しいたけ、かまぼこ、栗の甘露煮を均等に入れます。
- 上から卵液を静かに注ぎ入れます。
- 蒸気の上がった蒸し器に器を並べ入れます。最初は強火で1分ほど蒸し、その後弱火にして10〜15分蒸します。竹串を刺してみて、透明な汁が出れば蒸しあがり。
- みつばを飾って完成です。

