<永久保存版>廃墟探索や撮り鉄も要注意!一歩間違えば犯罪に?趣味と法律のグレーゾーン徹底解説

<永久保存版>廃墟探索や撮り鉄も要注意!一歩間違えば犯罪に?趣味と法律のグレーゾーン徹底解説

●廃道探索(オブロード)で注意すべきポイント

廃道探索は、徒歩が少なくありませんが、廃道に見えても「供用中」の場合は「道路」なので自動車専用道のような通行規制のない限り徒歩で立ち入ることは適法です。

また、供用が廃止された「元道路」は野山と同じですので、原則として徒歩での立ち入りが犯罪となるわけではありません。

ただし、国有林(国有林野の管理経営に関する法律)などでは目的によっては事前に届出が必要な場合があります。

参考
https://www.rinya.maff.go.jp/chubu/introduction/gaiyou_kyoku/nyurinkyoka/nyurintodoke.html

立て看板などで案内されていることも多く、注意しておくとよいでしょう。

ただし、人の侵入を阻むように設置されたバリケードを破壊することは器物損壊罪として処罰される可能性があります。

オブロードの趣味は、探検的要素が強く、危険と隣り合わせで活動するシーンも多くあります。ひとたび重大な事故が起これば、こういった趣味に厳しい目が向けられる可能性があります。

活動が制約されることのないように、安全に十分配慮しつつ探索していただきたいと思います。

●林道走行で注意すべきポイント

林道の法律関係は実はとても複雑で、公道として供用されているものと、林業用など私有地扱いのものがあります。

公道と私有地を見た目だけで区別することは困難ですが、ゲートや「通行止」「立入禁止」の表示がある場合は無視して入ればトラブルとなりえます。軽犯罪法違反にもあたるので注意が必要です。

公道かどうかは市区町村役場の道路管理課に照会したり、道路台帳を閲覧することで確認することができます。

また、林道で管理や作業している人がいれば「こんにちは。自転車で◯◯まで行きたいのですが、通っても良いですか」と聞いてみることもトラブルの防止に役立ちます。

なお、現実的には林道の種類を問わず趣味での通行が黙認されている場合もあります。しかし、SNSで通行可能な林道として紹介され、実際に訪れたマナーのない通行者が地元の方とトラブルを起こしたり、路面を荒らした結果、通行止めにされてしまったというケースもよく見聞きします。

そのため、「暗黙の了解」として軽々にそういった情報を公にすることを良くないと考える人は少なくありません。もちろん、詳細な情報をSNSに書いて良いかは個人で判断するべきことではありますが、そういったことがトラブルに発展しやすいということは、理解をしておく必要があると思います。

●大切なのは「常識」と「コミュニケーション」

全国には境界が曖昧な土地が少なくありません。だからこそ、常識的な注意を払い「ここは誰かの土地かもしれない」と意識して行動することが大切です。

土地所有者の意思表示がない場合には、法律的には違法と評価されにくいのですが、それでもトラブルを防ぐにはコミュニケーションが重要になります。

●「ここは誰かの土地」という意識を忘れずに

趣味の活動の延長で、うっかり他人の土地に足を踏み入れてしまうことは誰にでもありえます。しかし、これまで述べてきたように

・損害を与えないこと
・柵や看板を尊重すること
・退去要求にはすぐ従うこと
・鉄道や建造物のように特別の規制・危険がある土地は特に注意すること
・特にSNSでは自分の行動の影響を常に意識すること

この5点を守っていれば、基本的に大きな法的リスクは回避できます。

「廃道や廃線を歩く探検動画」を楽しむのと同じように、実際に自分で趣味活動をする際には、「ここは誰かの土地」という意識を忘れずに、法律と常識のバランスを意識することが大切です。

【取材協力弁護士】
甲本 晃啓(こうもと・あきひろ)弁護士
理系出身の弁護士・弁理士。東京大学大学院修了。丸の内に本部をおく「甲本・佐藤法律会計事務所」「伊藤・甲本国際商標特許事務所」の共同代表。専門は知的財産法で、著作権と特許・商標に明るい。鉄道に造詣が深く、関東の駅百選に選ばれた「根府川」駅近くに特許事務所の小田原オフィスを開設した。
事務所名:甲本・佐藤法律会計事務所
事務所URL:https://ksltp.com/

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