「がんの見逃しいやすいサイン」はご存じですか?医師が徹底解説!

「がんの見逃しいやすいサイン」はご存じですか?医師が徹底解説!

がんは「気づいたときには手遅れ」と思われがちですが、実は日常のちょっとした変化に目を向けることで、早期発見の糸口が見つかることもあります。本記事では、がんの見逃しやすいサインについて解説します。

五藤 良将

監修医師:
五藤 良将(医師)

防衛医科大学校医学部卒業。その後、自衛隊中央病院、防衛医科大学校病院、千葉中央メディカルセンターなどに勤務。2019年より「竹内内科小児科医院」の院長。専門領域は呼吸器外科、呼吸器内科。日本美容内科学会評議員、日本抗加齢医学会専門医、日本内科学会認定医、日本旅行医学会認定医。

見逃しやすい“意外なサイン”とは?

体重の変化、倦怠感、食欲不振

がんの早期症状として、「原因がはっきりしない体重減少」や「慢性的なだるさ」「食欲の低下」はよく見られるサインです。ただし、これらは多くの病気でも起こるため、つい“疲れてるだけ”と思いがちです。

注意したい変化:

意識していないのに3〜6ヶ月で5kg以上体重が落ちた

休んでも疲れが取れない、日中も眠気が続く

食欲が湧かず、食事量が極端に減っている

こうした変化は、膵臓がん・胃がん・肝臓がん・血液のがん(白血病など)の初期症状として出ることがあります。とくに中高年の方は、「なんかおかしいな」が続くなら、一度医療機関を受診してみてください。

皮膚の色・爪・口内炎など全身の小さな変化

がんは、内臓にできても“からだの外側”に変化として現れることがあります。
見落とされがちなチェックポイント:

皮膚や白目が黄色くなる(黄疸) → 肝臓・胆道系の異常

皮膚のかゆみ・発疹・しこり → 血液がんや乳がんで現れることも

爪の変形・割れやすさ・色の変化 → 栄養状態の悪化や代謝の異常

口内炎が治らない、舌にしこりがある → 口腔がん・白血病のサインの可能性も

これらの症状は、軽視されがちですが、「長く続いている」「左右非対称」「繰り返している」などの特徴があれば注意が必要です。がんのサインは、“わかりやすい”だけではありません。「よくある症状」と「実は隠れたサイン」の線引きが難しいからこそ、変化を放置しない意識が大切なんです。

まとめ

がんは「突然起こる病気」ではなく、 小さな変化を少しずつ積み重ねながら、私たちの身体にサインを出しています。 そのサインはときに、ごく日常的な── 「咳が長いな」「ちょっと痩せたかも」「便の色が変だな」といったものです。
がんの生存率を左右するのは、“気づけるかどうか”の早さ。 日々の暮らしの中で自分自身に意識を向け、 小さな異変に「気づこうとする習慣」こそが、予防と早期発見につながります。
そして、“大丈夫だと思っても迷ったら相談する”という姿勢が、 あなたや大切な人の未来を守る第一歩になるかもしれません。

参考文献

国立がん研究センター「がん情報サービス」

厚生労働省「がん検診」

日本対がん協会「がん予防・がん検診の推進」

配信元: Medical DOC

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