「出所後の住所を教えて」加害者の"お礼参り"に怯える被害者、第5次基本計画の改善うったえ

「出所後の住所を教えて」加害者の"お礼参り"に怯える被害者、第5次基本計画の改善うったえ

●アメリカやカナダでは「加害者情報にアクセスできるシステム」

記者会見に同席した元上智大学教授の伊藤冨士江さんは、アメリカ・ペンシルベニア州やカナダでは、犯罪被害者が登録すれば、加害者の情報に容易にアクセスできる制度があることを紹介した。

「第5次犯罪被害者等基本計画は非常に大事です。被害者にとって、便利で加害者の情報にアクセスしやすいシステムを作っていくというような文言が計画の中に入ることで、次の5年間で検討できるようになる。こういったシステムが日本に導入されると、被害者の権利を守るものになるので、ぜひ検討していただきたい」と話した。

●冨田さん母「被害者が安心して生活できる法律や制度を」

オンラインで記者会見に出席した冨田さんの母親は、こううったえた。

「私たち家族は今も、加害者に怯えながら日々を過ごしています。刑務所にいると理解はしていても、特に外出するときは不安で周りを気にしながらの生活です。

加害者が出所するということは、今より怯える毎日を過ごさなければならないということです。裁判が終わり、やっと一息つくことができました。しかし、加害者が出所してからのお礼参りの恐怖を考えると、まだまだ心配は絶えません。

私たちは一生不安や恐怖を抱えながら過ごさなければならないのか。被害者が少しでも安心して生活できる法律や制度が増えることを強く望みます」

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