何がある人が「急性大動脈解離」を発症しやすい?医師が解説!

何がある人が「急性大動脈解離」を発症しやすい?医師が解説!

急性大動脈解離になりやすい人の特徴とは?メディカルドック監修医が解説します。

※この記事はMedical DOCにて『「急性大動脈解離」で急死する前に現れる症状はご存知ですか?急死する原因も解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修

「急性大動脈解離」とは?

急性大動脈解離とは、大動脈の壁が裂けてしまう重篤な疾患です。

大動脈は、心臓から全身へ血液を送り出すための人体で最も太い血管です。大動脈の壁は「内膜」「中膜」「外膜」という三層構造をしており、それぞれが密接に連携して強固な構造を形成しています。

何らかの原因でこの血管内膜に裂け目ができると、血液が本来の経路(真腔)ではなく、中膜の層へと流れ込み、新たな空間「解離腔・偽腔(ぎくう)」を形成します。この偽腔にどんどん血液が入り込み偽腔が拡大することで真腔が圧迫され、血流が阻害されてしまいます。 これが大動脈解離の病態です。

急性大動脈解離は、解離が及んでいる範囲により大きく2つのタイプに分けられます。心臓からすぐのところにある上行大動脈に解離が生じている「スタンフォードA型」と、上行大動脈に解離が及んでいない「スタンフォードB型」です。A型は特に緊急性が高く、手術などの迅速な治療介入が求められます。

急性大動脈解離になりやすい人の特徴

大動脈解離は、誰にでも起こりうる病気ではありますが、特に以下のような特徴をもつ人は発症リスクが高いため注意が必要です。

高血圧のある中高年男性

大動脈解離は70歳以上の男性に多くみられます。加齢に伴い血管の壁が硬くもろくなりやすくなることが要因とされており、特に高血圧を合併している高齢男性は注意が必要です。

動脈硬化がある人

動脈硬化は、大動脈の壁を脆弱にし、解離を起こしやすくする重要な危険因子です。高血圧・脂質異常症・糖尿病・喫煙・肥満などの生活習慣病が動脈硬化を進行させるため、これらを有する方は発症リスクが高まります。特に喫煙は最も重要な危険因子の一つであり、禁煙によってリスクを下げることが可能です。予防には、バランスの取れた食事、適度な運動、規則正しい生活を心がけ、血圧や血糖値、コレステロール値を良好に保つことが重要です。

遺伝性疾患を持つ人

マルファン症候群やエーラス・ダンロス症候群など、結合組織に異常を持つ遺伝性疾患では、血管壁が生まれつき弱いため、若年でも大動脈解離を発症することがあります。
また、家族に大動脈疾患の既往がある人もリスクが高く、定期的な検査が勧められます。

配信元: Medical DOC

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