前立腺がんは男性特有のがんであり、骨転移しやすいがんです。
がんが肥大化すると、排尿困難や排尿時痛など泌尿器系の症状が出現してくるでしょう。
このような症状が出現した場合、どのような診療科でどのような検査を受けることになるのでしょうか?
今回は、そのような前立腺がんの検診について、検査の内容や費用面について触れながら解説していきます。

監修医師:
村上 知彦(薬院ひ尿器科医院)
長崎大学医学部医学科 卒業 / 九州大学 泌尿器科 臨床助教を経て現在は医療法人 薬院ひ尿器科医院 勤務 / 専門は泌尿器科
前立腺がんとは?
前立腺は男性にのみ存在する臓器で、尿が膀胱から体外へ排出される際の通り道です。前立腺がんはこの前立腺のどこかにがん細胞が発生し、肥大化した腫瘍が尿道などを圧迫してしまい、排尿困難感や排尿時痛を引き起こします。
前立腺がんの発生や成長には男性ホルモンが大きく関わっており、治療ではこの男性ホルモンの働きを抑える薬剤を使用することがあるでしょう。
前立腺がんは骨やリンパ節に転移しやすいため、全身の臓器に転移する前に治療が必要であり、早期発見・早期治療が重要です。排尿時痛や排尿困難感があるようなら、早めに受診することをおすすめします。
前立腺がんの検査・検診の詳細
前立腺がんに当てはまる症状がある場合、まずは泌尿器科で前立腺がんかどうか検査してもらうことが大切です。また、医療機関だけではなく地方自治体でも検査を行っている場合があります。
ここでは、前立腺がんを疑ったときに受診する機関について解説します。
気になる症状がある場合は医療機関で検査を受けるのが基本
前立腺がんと診断されるまでには、血液検査や直腸診などさまざまな検査を受ける必要があります。地方自治体では血液検査など一部の検査しかできない場合があり、最初から医療機関で受診するよりも治療を開始するまでの時間が長くなりがちです。
がん治療では早期発見・早期治療が重要になってくるので、明らかな血液検査などで異常所見がある場合は、早めに医療機関で受診し検査を受けるようにしましょう。
現時点では厚生労働省の指針で定められた検診はなし
厚生労働省ではがんの早期発見・早期治療を目標に、がん検診を推進するための指針を設定していますが、前立腺がんはその指針には含まれていません。
そのため、自治体によっては前立腺がんの検診を受けられない場合があります。検診を受けたい場合は、地方自治体でも受けられるかどうか事前に確認しておくとよいでしょう。
地方自治体によっては検診が行われているケースもある
地方自治体によっては、前立腺がんに関する検査を行っている場合があります。近くの医療機関で受診するよりも、安価な料金で検査を受けることもできるでしょう。
しかし、自治体によっては血液検査のみしか行えない場合があり、医療機関のような精密な検査は行えない場合があります。血尿や排尿障害など明らかな異常がある場合は、最初から医療機関での受診をおすすめします。

