「介護うつ」で限界になる前に… 今すぐできる6つのセルフケア習慣【専門家解説】

「介護うつ」で限界になる前に… 今すぐできる6つのセルフケア習慣【専門家解説】

長引く介護生活の中で「自分の時間なんてない」と感じていませんか。真面目に介護に向き合う人ほど、心身に負担を抱え込み介護うつに陥ってしまうリスクがあります。そんな中でも、少しの工夫で予防につながる方法があります。今回は、介護うつを防ぐためにできることについて専門家に解説していただきました。

佐藤 恵美

監修介護福祉士:
佐藤 恵美(介護福祉士)

1976年生まれ、愛媛県出身。介護・福祉系ライターとして活動中。高校卒業後、販売や営業事務職を経験。30代後半から通信制の大学や専門学校で学びながら看護助手として勤務。夜勤もこなしつつ、介護福祉士、社会福祉士など複数の資格を取得。現在は老人保健施設で支援相談員として従事している。

編集部

介護うつ予防のためにできることはありますか?

佐藤さん

主に下記のことをするといいでしょう。
・介護サービスを利用する
・少しでいいので、趣味を楽しむ時間を作る
・適度に運動する
・「完璧な介護はしなくていい」と自分を許してあげる
・家族や友人、近隣の人など、1人でもいいので話したり相談したりできる人を見つける
・食事はきちんと食べる

介護に割く時間が長いため、これらの対策が難しいと感じられるかも知れません。ですが、改まって何かを始める必要はないのです。例えば、運動は「徒歩で買い物に行く」「近隣を散歩する」などでOKです。誰かに相談するのをためらう人も多いのですが、実際に介護問題で悩む人はけっこういらっしゃいます。同じ苦しみを共有できる相手が1人いるだけで、気の持ちようが大きく変わります。真面目な人には難しいかも知れませんが、「満点の介護をしなくていい」と考えてみてください。食事はご飯や汁物、簡単なおかずだけで大丈夫です。栄養のバランスが取れると、心のバランスも整ってきます。

編集部

介護サービスを利用した方がいいのでしょうか?

佐藤さん

先程挙げた対策は「時間がないからできない」と思われる方も多いでしょう。自分のための時間を確保するに、介護サービスを活用していただきたいと思います。在宅介護において、最も避けたいのは家族が本人と共倒れになることです。そうならないために、介護サービスを積極的に使うのをおすすめします。

編集部

介護サービスを利用するには、まずどうすればいいですか?

佐藤さん

まずはお住まいの市区町村の市役所に問い合わせましょう。こちらが具体的な順序です。
1.市区町村の窓口で養介護認定の申請をおこなう
2.認定調査を受ける
3.調査の結果、主治医意見書の内容を踏まえて要介護度が出る
4.要支援または要介護度によって、地域包括支援センターや居宅介護事業所へ連絡し、ケアプランの作成を依頼
5.受け入れ施設等との調整を経て、サービス開始

編集部

おすすめの介護サービスはありますか?

佐藤さん

在宅介護であれば、デイサービスやショートステイがおすすめです。どちらも要支援1から要介護5の人を受け入れてくれます。デイサービスは日帰りのサービスです。入浴やレクリエーション、リハビリなどがおこなえます。ショートステイはご家族が入院するときなどに利用できる、泊まりのサービスです。ご家族が入院する時、あるいは遠方に何日か行かなければならない時などに活用できます。

※この記事はメディカルドックにて【“介護疲れ”から“介護うつ”にならないために 介護のストレス・疲れを軽減する方法を介護福祉士が解説】と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。

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配信元: Medical DOC

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