ビタミンB12の効果

貧血の予防・改善
葉酸と協力し血液中のヘモグロビンの合成に関わり、正常な赤血球を作っています。
造血作用があるため、貧血の予防や改善に効果があります。
神経細胞の修復・改善
神経細胞の機能を正常に保つ働きがあり、末梢神経のダメージの修復を促進する作用があります。
手足のしびれや痛み、肩こりや腰痛、眼精疲労、筋力低下、認知症などの改善に効果があります。
脳機能の正常化
中枢神経への活性化効果があり、脳が正常に機能するために重要な働きをしているといわれています。
記憶力や集中力を高める効果や、睡眠障害や時差ぼけ、睡眠相遅延症候群にも効果があると考えられています。
動脈硬化の予防・改善
ホモシステインの血中濃度が高まると動脈硬化を促進させる原因になると考えられています。
葉酸、B6、B12はホモシステインの血中濃度を下げる効果が期待でき、動脈硬化予防に寄与する可能性があります。
白髪の予防・抑制
メラノサイトの機能維持に関与する可能性があり、白髪予防に寄与することが期待されていますが、科学的根拠は限定的です。
ビタミンB12が不足すると現れる症状

貧血症状
ビタミンB12が不足すると、正常な赤血球が作られなくなり、貧血症状を引き起こします。具体的な症状として、息切れ、動悸、めまい、顔色が蒼白になる、筋力低下、疲労感、吐き気などが挙げられます。
・すぐにできる処置、症状の落ち着かせ方はあるか
その場にしゃがむなど低めの姿勢をとる、目を閉じて安静にする、足を頭より15~30㎝高くした体制をとるようにしましょう。
・症状が悪化した場合、どんな病院・科に行くべきか、受診時の注意点
内科へ受診しましょう。
神経症状
ビタミンB12が不足すると、末梢神経にダメージが起こり全身に症状が現れます。
手足のしびれやピリピリ感、感覚消失、錯乱、肩こりや腰痛、筋力低下、歩行困難、眼精疲労、思考力の低下などの症状が起こります。
・すぐにできる処置、症状の落ち着かせ方はあるか
蒸しタオルなどで温め血行を良くしたり、長時間の同じ姿勢を避け、軽いストレッチを行うとよいでしょう。
・症状が悪化した場合、どんな病院・科に行くべきか、受診時の注意点
しびれは神経内科、手足の痛みや腰痛は整形外科、眼精疲労は眼科へ相談しましょう。
消化器系の症状
暴飲暴食、ピロリ菌感染、自己免疫性胃炎などで胃の粘膜に炎症が起こります。高齢に伴いリスクが高くなりやすくなります。
萎縮性胃炎、胃酸減少、ハンター舌炎、味覚障害、舌の痛みなどの症状があらわれます。
・すぐにできる処置、症状の落ち着かせ方はあるか
暴飲暴食や偏った食事、刺激物の摂取などを控え、バランスのよい食事を心がけましょう。
・症状が悪化した場合、どんな病院・科に行くべきか、受診時の注意点
胃症状は消化器内科、味覚障害・舌の症状は耳鼻咽喉科または歯科口腔外科へ受診しましょう。
精神症状
ビタミンB12が不足すると自律神経のバランスが崩れ心身にさまざまな不調が現れます。
思考力の低下、ふさぎ込み、性格変化、抑うつ、錯乱、易怒性、不安やイライラなどの症状が現れます。
・すぐにできる処置、症状の落ち着かせ方はあるか
十分な睡眠と休息をとり、バランスのとれた食事をとりましょう。アルコールやカフェインの摂取を控えることも大事です。
・症状が悪化した場合、どんな病院・科に行くべきか、受診時の注意点
精神科や心療内科に相談しましょう。
脳血管症状
全身に指令を送る脳や脊髄などの中枢神経に炎症やダメージを受けると全身にさまざまな症状があらわれます。
手足の麻痺、しびれ、呂律が回らない、顔のゆがみ、めまい、吐き気や嘔吐、激しい頭痛などが起こることがあります。
・すぐにできる処置、症状の落ち着かせ方はあるか
倒れた場合は安全な場所に移動させ気道確保などの処置を。また衣服を緩め横向きに寝かせます。半身に麻痺がある場合は麻痺のある側を上にしてください。
・症状が悪化した場合、どんな病院・科に行くべきか、受診時の注意点
迷わず救急車を呼び救急病院、脳神経外科、脳神経内科へ受診しましょう。

