ストレスで痩せる人の特徴とは?メディカルドック監修医が主な特徴や症状、考えられる病気・何科へ受診すべきか・対処法などを解説します。

監修医師:
伊藤 陽子(医師)
浜松医科大学医学部卒業。腎臓・高血圧内科を専門とし、病院勤務を経て2019年中央林間さくら内科開業。相談しやすいクリニックを目指し、生活習慣病、腎臓病を中心に診療を行っている。医学博士、産業医、日本内科学会総合内科専門医、日本腎臓学会腎臓専門医、日本透析医学会透析専門医、日本東洋医学会漢方専門医、日本医師会認定産業医、公認心理師。
ストレスとは?過度なストレスで起こる体調不良の例
明確な定義はありませんが、外部からのさまざまな刺激により心身が緊張状態となっている反応が「ストレス」です。このストレス状態が過度に持続すると、自律神経やホルモンなどのバランスが崩れてしまい、身体にさまざまな不調が出現することがあります。
例えば、ストレスが続くことで自律神経のバランスを崩し交感神経が優位な状態が続くことで心拍数や血圧の上昇、消化管機能の低下、筋緊張状態がみられます。このため、症状として動悸や頭痛、嘔気、胃痛、食欲不振、肩こり、不眠などさまざまな状態がみられることが多いです。また、消化器症状が強くなると、食欲が低下し、痩せてしまう方もいます。
ストレス痩せとは?
ストレス痩せのはっきりとした定義はありません。しかし、体重減少の基準として、「6~12か月の間に体重の5%以上の体重減少があった場合」と定義されることが多いです。意図しない(食事制限をしたわけではない)5%以上の体重減少があり、ストレスがかかっていると自覚があった場合には、ストレス痩せが疑われます。しかし、意図しない体重減少の中には、甲状腺機能亢進症やがんなどの悪性疾患の可能性もあるため注意をしなければなりません。ここでは、ストレス痩せの特徴、症状を説明いたします。
体重減少
意図しない体重減少が急に起こった場合、特に体重の5%以上減少した場合には、注意が必要です。特に1~3か月程度で体重の5%以上の体重があった場合には何か原因がある可能性があります。ストレス痩せ以外の病気の可能性もあるため、まず内科を受診して相談をしてみることが勧められます。
食欲が低下する
ストレスに伴い、急に食欲が落ちる、食事量が減っている場合には注意が必要です。ダイエット目的ではなく、食べたいという気持ちがなくなり、食欲が減ったり、食事を食べても気持ちが悪くなったり少ししか食べられなかったり、胃が痛くなり食べられなくなる場合もあります。
見た目の変化
食欲低下とともに、気力がなくなったり睡眠不足にも陥りやすくなります。健康的ではなくなり、見た目でも顔色が悪く見えたり、やつれて見えたり、肌がかさついたりすることもあります。栄養不足や睡眠不足などに伴うことが多いです。また、筋肉量が減り全体的にげっそりした印象になりやすいと言えます。
精神的な症状
見た目や体力的な面だけではなく、精神面でも変化することが多いです。ストレスにより不眠となる事もあり、また気分の落ち込みや、不安、いらつき、意欲の低下を合併することもあります。ストレスによりうつ病などの精神疾患を合併することも多いため、落ち込みが強かったり、何をしても楽しめない、仕事などに集中できないなどの症状もある場合には、うつ病の合併かもしれません。早めに精神科、心療内科を受診しましょう。

