肥厚性皮膚骨膜症の治療
肥厚性皮膚骨膜症には根本的な治療が確立されておらず、対症療法が中心となります。
主に薬物療法、関節滑膜除去術、形成手術をおこないます。
薬物療法
薬物療法では、骨吸収を抑制し、骨密度を増加させるビスホスホネートを投与します。
肥厚性皮膚骨膜症では骨の代謝異常が見られるため、ビスホスホネートの投与により関節痛などの改善が期待できます。
関節滑膜除去術
関節の痛みが薬物療法で十分に改善しない場合、関節滑膜除去術が検討されます。
炎症を起こした滑膜を取り除くことで、関節の痛みや腫脹を軽減します。
形成手術
形成手術は体表面の異常を外科的に修復する手術です。患者の希望に応じて、皮膚の肥厚や眼瞼下垂などに対しておこなわれます。
肥厚性皮膚骨膜症になりやすい人・予防の方法
肥厚性皮膚骨膜症になりやすい人は、主に肥厚性皮膚骨膜症の家族歴がある10代の男性です。肥厚性皮膚骨膜症は遺伝性の疾患であり、家族や親族に発症者がいる場合、発症リスクが高くなります。
特にSLCO2A1遺伝子やHPGD遺伝子に変異がある場合、次世代への遺伝の可能性が高まります。女性の兄弟は男性よりも発症が遅れる傾向があり、3つの主症状よりも先に非特異性多発性小腸潰瘍症を発症することがあります。
肥厚性皮膚骨膜症を予防する確立された方法はありません。
遺伝的要因が主な原因であるため、生活習慣の改善などで予防することは困難です。
早期発見と適切な管理が重要となります。
関連する病気
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胃潰瘍十二指腸潰瘍低カリウム血症非特異性多発性小腸潰瘍症
二次性肥大性骨関節症
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高アルカリフォスファターゼ血症
骨幹異形成症
参考文献
難病情報センター肥厚性皮膚骨膜症(指定難病165)
小児慢性特定疾病情報センター12肥厚性皮膚骨膜症
公益社団法人日本小児科学会肥厚性皮膚骨膜症
厚生労働省165肥厚性皮膚骨膜症

