1週間虫垂炎を放置した場合の術中・術後合併症リスク

虫垂炎の手術で想定される合併症を教えてください
虫垂炎の手術に限らず、腹部手術には一定の合併症のリスクがあります。術中の合併症としては、出血や小腸や大腸、尿管など周囲臓器の損傷が挙げられます。
術後の合併症としては、手術創の感染や腹腔内膿瘍、腸の動きが一時的に止まるイレウス、癒着による腸閉塞、縫合した腸管からの漏れなどが知られています。全身麻酔に伴う肺炎や静脈血栓症などの合併症が起こる可能性もあります。
これらのリスクは、炎症の程度や患者さんの年齢、基礎疾患の有無、手術時間の長さなどによって変わります。術前に医師から説明を受け、不安な点は事前に確認しておきましょう。
虫垂炎を1週間放置すると術中術後の合併症のリスクは高くなりますか?
一般に、虫垂炎が進行して穿孔や腹膜炎を起こした状態では、合併症の頻度が上がることが知られています。炎症が強いほど手術時間が長くなり、汚染された腹水も多くなるため、手術創の感染や腹腔内膿瘍などのリスクが高くなります。
また、全身の炎症反応が強い場合は、術後に血圧の低下や臓器機能の悪化をきたしやすく、集中治療室での管理が必要になることもあります。高齢の方や糖尿病、心疾患などの基礎疾患を持つ方は、特に注意が必要です。
1週間放置された虫垂炎は、これらの複雑な虫垂炎の状態でみつかることが多く、術中術後の合併症リスクは、早期に受診して治療を受けた場合より高いと考えられます。
虫垂炎を1週間放置したら、何らかの後遺症が生じる可能性はありますか?
適切な治療が行われれば、多くの患者さんは大きな後遺症を残さずに回復します。しかし、穿孔や重症の腹膜炎を起こした場合には、術後しばらくおなかの張りや違和感が続いたり、癒着による腸閉塞を将来的に起こしたりする可能性があります。
また、大きな開腹手術を行った場合には、傷の部分に切開創ヘルニアが生じることがあります。重症例では、長期の入院や集中治療により、筋力低下や日常生活動作の低下など、身体機能の低下が残ることもあります。
ただし、これらの後遺症が必ず起こるわけではありません。早めに受診して重症化する前に治療を受けること、重症化してしまった場合でも、指示どおりにリハビリや通院を続けることで、多くの方が日常生活に戻ることができます。
編集部まとめ

適切な治療が行われれば、多くの患者さんは大きな後遺症を残さずに回復します。しかし、穿孔や重症の腹膜炎を起こした場合には、術後しばらくおなかの張りや違和感が続いたり、癒着による腸閉塞を将来的に起こしたりする可能性があります。
また、大きな開腹手術を行った場合には、傷の部分に切開創ヘルニアが生じることがあります。重症例では、長期の入院や集中治療により、筋力低下や日常生活動作の低下など、身体機能の低下が残ることもあります。
ただし、これらの後遺症が必ず起こるわけではありません。早めに受診して重症化する前に治療を受けること、重症化してしまった場合でも、指示どおりにリハビリや通院を続けることで、多くの方が日常生活に戻ることができます。
参考文献
『急性虫垂炎』(慶應義塾大学病院KOMPAS)
『知って得する病気の話 急性虫垂炎とは(外科)』(彦根市立病院)
『Diagnosis and treatment of acute appendicitis: 2020 update of the WSES Jerusalem guidelines』(World Journal of Emergency Surgery)
『急性虫垂炎』(独立行政法人国立病院機構 奈良医療センター 健康だより)

