放射線皮膚炎の前兆や初期症状について
放射線皮膚炎では、発赤や皮膚の乾燥、ただれ、痛み、浸出液などが生じます。こうした症状は、首や耳の後ろ、足のつけ根、脇の下、外陰部などにあらわれやすいです。放射線が当たった箇所に衣服と擦れるなどの刺激が加わるためだと考えられています。
軽度の発赤
最初に起こる変化として、放射線治療を始めてから2週間程度経過してからみられる軽度の発赤があります。治療を受けた部分が、放射線によって血流が増えたことでうっすらと赤みを帯びてきます。この段階では、日常生活に支障をきたすことはありません。
皮膚の乾燥やかゆみ
症状が進むと、皮膚が次第に乾燥してカサカサしてきます。赤みの色も濃くなり、軽いかゆみを感じることも多くなります。とくに、入浴後にかゆみを感じやすく、無意識に掻いてしまうこともあります。
皮膚のただれと痛み
さらに症状が進行すると、皮膚の表面がむけはじめることがあります。日焼けの後のように、薄く皮がむけることもあれば、小さな水疱(水ぶくれ)ができることもあります。さらに、服が擦れるだけでも痛みを感じる場合があり、なかでも服と皮膚が擦れやすい脇の下や外陰部などで痛みが出やすいのが特徴です。
浸出液
重症化すると、皮膚から水分が染み出してきます。患部がジクジクとして、不快感をおぼえます。浸出液が出ている際は皮膚が傷つきやすくなるうえ、細菌感染のリスクが高まるため、被覆材やガーゼなどによる保護が欠かせません。
放射線皮膚炎の検査・診断
放射線治療によって発症する放射線皮膚炎の場合、治療の経過から診断されます。
治療歴の確認
放射線治療を受けている患者の場合、治療開始からの期間、照射部位、照射量などの治療歴を確認します。通常、放射線皮膚炎は治療開始から約2週間程度で症状が出現し始めます。
重症度の評価
医師は視診で皮膚の状態を確認し、重症度を判定します。
重症度は「Grade 1:軽度の発赤、乾燥」「Grade 2:中等度の発赤、水疱形成、限局的なただれ」「Grade 3:湿性落屑(浸出液を伴うただれ)」「Grade 4:潰瘍や壊死を伴う重度の皮膚損傷」の4段階にわかれており、どの段階に該当するかを判断し、今後の治療方針の決定に役立てます。
細菌培養検査
ただれや潰瘍、浸出液が生じている場合は、感染の可能性がないかを調べるために、必要に応じて細菌培養検査を行います。

