放射線治療後に皮膚が赤くなる? 「放射線皮膚炎」の特徴と注意点を医師が解説

放射線治療後に皮膚が赤くなる? 「放射線皮膚炎」の特徴と注意点を医師が解説

放射線皮膚炎の治療

放射線皮膚炎の治療では、主に薬物療法やスキンケアが行われます。重度の場合やがんを発症している場合は、外科的治療が検討されます。

薬物療法とスキンケア

放射線皮膚炎が生じた場合、清潔さを保ちつつ、浸出液が出る段階まで進行させないことが重要です。そのため、放射線による異常があらわれた皮膚のスキンケアおよび被覆材やガーゼなどで保護を行います。

そのうえで、医師が処方した医療用保湿剤を使い、皮膚の乾燥を防ぎます。保湿剤には、皮膚の炎症を抑える成分が含まれているものもあり、症状の進行を遅らせる効果が期待できます。

また、症状の程度に応じて、外用薬による治療を行います。症状が進行すると炎症でかゆみや痛みがあらわれるため、これらの症状を抑える効果のあるステロイド軟膏が有効です。重症化して湿潤やただれが見られる場合は、より強力なステロイド外用薬を使うことがあります。また、皮膚の状態によっては感染予防のために抗生物質入りの軟膏を併用することもあります。

痛みのコントロールも重要な治療の一つです。痛みが強い場合は、非ステロイド性消炎鎮痛薬などの内服薬による疼痛管理を行います。症状が重い場合は、より強力な鎮痛薬が必要になることもあります。

感染症の兆候が見られた場合は、検査結果をもとに適切な抗生物質で治療を行います。

外科的治療

重度の放射線皮膚炎で、皮膚の深い層まで損傷を受けている場合は、皮膚移植が必要になることがあります。移植の方法には、患者さん自身の皮膚を使う方法と、人工真皮を使う方法があります。手術後は、移植片がきちんと定着しているかを慎重に確認します。

また、繰り返し放射線に当たることで皮膚がんを発症するケースもあります。その場合は、がんの切除手術を行うことがあります。

放射線皮膚炎になりやすい人・予防の方法

放射線皮膚炎は、放射線治療を行ったほとんどの人が経験する皮膚トラブルです。
放射線皮膚炎においては、発症自体の予防というより、症状の悪化を予防することが重要です。
悪化予防のためには、放射線治療から1~2週間後の症状がない段階でも、皮膚を清潔にし、刺激が加わらないようにすることが大切です。たとえば、刺激の少ない泡立てた石鹸で洗い流す、皮膚に擦れないゆったりとした衣服を身に付けるといったことが予防策として挙げられます。

また、かゆみを感じたときにかいてしまうと皮膚が傷つき症状が悪化するため、かかないようにしましょう。かゆみがある場合は皮膚の炎症や乾燥が原因のため、医師の指示にしたがって軟膏などの外用薬を塗布することが推奨されます。


関連する病気

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参考文献

国立研究開発法人 量子科学技術研究開発機構「被ばく防護と医療 第87回 放射線皮膚障害の治療」

国立がん研究センター 中央病院「放射線治療中のスキンケア」

公益財団法人 放射線影響研究所「放射線について」

J-Stage「放射線皮膚炎に対する新たな治療展開=保湿剤の有用性について~」

J-Stage「放射線皮膚炎に対するケア」

静岡県立 静岡がんセンター「放射線の副作用による赤みや色素沈着など皮膚症状」

配信元: Medical DOC

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