5歳年上の夫マサハルと幸せな結婚生活を送っていたカナデ。しかし夫の様子がおかしくなり、ついに不倫の証拠をつかんでしまいます。そんな、傷ついた妻が選んだのは、静かに泣き寝入りすることではなく、完璧な復讐計画だったのです。義母を巻き込み、不倫部屋で仕掛けた「サプライズ」とは……。
夫の友人から「夫は若い子に弱い」と聞き、若作りに励むカナデ。しかし夫は「プロジェクトで忙しい」とスマホばかり気にし、無断外泊や朝帰りを繰り返します。家では食事も会話も拒否し、外泊の日には私服で出勤、女性物の香水の匂いまで漂わせていました。
悩み抜いた末、会社で夫を待ち伏せると、なんと若い女と合流しアパートへ。玄関先でキスを交わし、女だけが立ち去る様子から、そこが「不倫部屋」だと確信します。さらに女の後を追うと、彼女は3駅先の自宅へ。「あなた♡ただいまー!」と明るく入る姿に、相手も既婚者である「ダブル不倫」が判明しました。
その夜、入浴中の隙に夫のスマホを確認。誕生日のパスコードであっさり開いた画面には、「ピョン」という幼稚な語尾や「嫁がBBA」という悪口が並び、不安は的中してしまいます。
証拠を撮ったカナデは復讐を決意。まずは不倫部屋の合鍵を作り、元の鍵を隠して夫が大焦りする様を陰で嘲笑いました。ですが現場を押さえるだけでは怒りは収まりません。次の一手として、プライドの高い義母に接近。「お義母さんのようになりたい」と自尊心をくすぐり、嫌味や指導に耐えて2カ月。今では週2回会うほどのお気に入りの座を勝ち取りました。
「ふふ、計画通り……」
最強の味方・義母を手に入れ、2人を地獄へ落とす舞台は整いました。いよいよ本格的に作戦を実行に移すときです。カナデが義母を案内したのは――。
合鍵を使って不倫部屋へGo!









義母との関係を築き上げたカナデは、ついに復讐計画の実行に移ります。
ある日、カナデは義母に「私たち、引っ越すことになったんです!」と報告しました。驚く義母に対し、カナデは「新居に招待させてください。夫へのサプライズ演出をしたいので、協力していただけませんか?」と持ちかけます。
義母は大喜びで「もちろんよ!素敵ね!」と快諾。「夫には絶対内緒でお願いします♡」と釘を刺すカナデの心の中では、「ふふふ……計画通り」と復讐の炎が燃えていました。
1週間後、カナデは義母を連れて「新居」へ向かいます。案内したのは、もちろん夫が借りている不倫部屋のアパート。
建物の外観を見た義母は「……ここが新居?」と戸惑いの表情を浮かべます。質素な外観に、明らかに納得していない様子です。
カナデは動じることなく、「はい!!さあ、中へどうぞ!」と笑顔で義母を招き入れます。部屋の中に足を踏み入れた義母は、室内の様子を見て質素な様子に驚愕の表情を浮かべます。そんな義母に、カナデは節約しているからだと伝え、安心させようとします。すると義母は用意してくれた料理を差し出してくれました。
◇ ◇ ◇
義母を味方につけ、ついに不倫部屋への突撃を実行に移したカナデさん。プライドの高い義母の性格を逆手に取り、「憧れています」と持ち上げることで懐に入り込みました。2カ月もの間、苦手な義母に我慢を重ねて信頼を勝ち取った努力は並大抵のものではありませんね。苦手な相手でも、目的のためには感情をコントロールして関係を築く――その戦略性と忍耐力には驚かされます。
私たちも日常の中で、苦手な人と関わらざるを得ない場面がありますよね。しかし、彼女のように冷静に相手を観察し、適切なアプローチを行えば、 苦手な相手さえも「最強の味方」に変えられるのかもしれません。夫の裏切りという逆境をバネに、賢く人生を切り開こうとするカナデさんのたくましさを、見習いたいですね。
著者・イラスト制作者:マンガ家・イラストレーター 加藤 かと 著者:原作者 スカッと春香!

