11歳年上の夫と結婚して3年…
私は大野佳奈子、25歳。夫の正行と結婚して3年がたつ。
マッチングアプリで知り合った正行は、11歳年上のおだやかな人だった。優しくて、いつも私の話をじっくりと聞いてくれる。家事や育児にも協力的で、3歳になる娘のマオも優しいパパが大好き。
新築のこの家は、まさに幸せの象徴だった。この幸せが、ずっと続くものだと信じてうたがわなかった…。
「佳奈子、マオちゃん、お帰りなさい。旅行、楽しかった?」
玄関のドアを開けると、正行が笑顔で迎えてくれた。
実家の母とマオと3人で行った温泉旅行から帰ってきたばかりだった。マオは眠ってしまい、正行が抱き上げてベッドに連れて行ってくれる。その背中はなんともいえない優しさがあった。
「うん、すごく楽しかったよ。マオも大よろこびでねー」
「そっか、よかった。俺は一人で寂しかったよ」
そう言って、私の頭をなでる正行…。その瞬間、なぜか胸にひっかかりを覚えた。寂しかった?1泊2日なのに?正行の言葉や表情が、妙に引っかかった。
「ごめんね…。私たちだけ、楽しんで来ちゃって…」
「いや、急な仕事が入って…キャンセル料を支払うことになるところだったから、お義母さんと行ってくれてよかったよ」
正行はそういうと、いつもの優しい笑顔を向けた。
胸騒ぎがする…夫のスマホに見慣れぬアイコン
その日の夜、マオを寝かしつけた後、私はリビングで正行とテレビを見ていた。正行はつかれたのか、ソファーで寝息を立てている。いつもの、平和な夜…。
(あれ…?)
その時、ソファーから、かすかにかいだことのない、甘い匂いがした。
(何この、香…?)
心のどこかで引っかかっていた胸騒ぎが、どうしても消えない。
私はそっと、正行のスマホを手に取った。普段なら絶対にしないことだ。ロック画面を解除すると、LINEの通知がいくつか表示された。その中に、見慣れないアイコンがあった。
「出張マッサージ店」と書かれたアカウント名。
マッサージ?出張?胸がザワザワして、なんとなくそのアカウントを開いてみた。
そこに並んでいたのは、目をうたがうようなメッセージのやりとりだった…。

