大腸がんステージ3についてよくある質問
ここまでステージ3の大腸がんの余命・治療方法・根治の可否などを紹介しました。ここでは「大腸がんステージ3」についてよくある質問に、メディカルドック監修医がお答えします。
ステージ3の大腸がんはどのような症状が出るのですか?
甲斐沼 孟(医師)
進行したステージ3では便中の血液・鮮血がみられます。また下痢や便秘などの便通障害が起こりやすく、便が細い・きれぎれなど便の変形も特徴的です。がんの進行に伴い周辺のリンパ節の腫れ・組織への圧迫や炎症が起こり、腹痛や腹部不快感を覚えることがあります。進行した腫瘍が栄養を消費し吸収を阻害するため、痩せ・貧血などの症状とともに全体的な体力低下がみられるのが一般的です。
ステージ3で薬物療法が行われるのはどのようなケースですか?
甲斐沼 孟(医師)
ステージ3での薬物療法は外科手術の補助になります。ステージ3では外科手術でがんを切除するのが標準的です。その場合、微小ながん細胞が周辺に残り、それが再び増殖を始めてがんが再発する可能性があります。残っているがん細胞を排除してできるだけ再発を防ぐために術後補助化学療法が選択され、ステージ2と3で再発リスクが高いと判断される患者さんが対象です。手術後1〜2ヶ月で始められ、薬剤により3ヶ月または6ヶ月間継続します。
ステージ3の再発率を教えてください
甲斐沼 孟(医師)
ステージ3の大腸がんでは、再発率は31.8%です。大腸がんの治療では常に再発防止を念頭にすすめますが、ある程度は再発します。再発率はがんが進行するほど高くなり、ステージ1では5.7%・ステージ2では15.0%といった数値です。再発の様態では、元の場所で再発する局所再発・肝臓や肺に移る遠隔転移・大腸を覆う腹膜に起こる腹膜播種などがあります。再発に対しても手術がメインで、補助療法との組み合わせで治療が進められます。
編集部まとめ
この記事ではステージ3の大腸がんの根治可否・余命・治療方法などを解説しました。進行してリンパ節に転移したステージ3でも根治は可能です。
そして余命も70%以上の5年生存率があります。治療方法は手術になりますが、腹腔鏡による負担の少ない手術・ロボット支援の精密な手術も選択が可能です。
また、再発予防措置など補助的な治療法も数多く整っています。転移していても決して絶望的な状況ではないので、積極的に治療に取り組みましょう。

