糖尿病は、食べすぎや運動不足などが原因で発症するというのはよく知られていますが、実はタバコやストレスも見過ごせないリスク要因です。喫煙者は糖尿病の発症リスクが高く、強いストレスを抱えている人も発症しやすいことが研究で明らかになっています。今回は、喫煙とストレスが糖尿病に与える影響について、髙橋先生に解説していただきました。

監修医師:
髙橋 紘(いんざい糖尿病・甲状腺クリニック)
埼玉医科大学医学部医学科卒業、東京慈恵会医科大学大学院医学研究科修了。東京慈恵会医科大学附属病院、富士市立中央病院などで経験を積む。2024年、千葉県印西市に「いんざい糖尿病・甲状腺クリニック」を開院。医学博士。日本内科学会総合内科専門医、日本糖尿病学会糖尿病専門医・指導医、日本内分泌学会内分泌代謝科専門医・指導医、日本肥満学会肥満症専門医。難病指定医、小児慢性特定疾病指定医。
編集部
喫煙がなぜ、糖尿病のリスクを上げるのですか?
髙橋先生
「タバコを吸うと交感神経が優位になり、血糖値が上昇してしまう」と考えられています。日本人を対象にした研究では、喫煙者は非喫煙者と比べて、2型糖尿病を発症するリスクが38%高くなることが判明しています。また。1日に喫煙する本数が多いほど、糖尿病を発症するリスクが高まることも明らかになっています。
編集部
ストレスはどのように関係しているのですか?
髙橋先生
人間はストレスを感じると、血糖値を上昇させる作用がある「コルチゾール」というホルモンが副腎から分泌されます。また、ストレスを受け続けるとインスリンの働きが悪くなり、それによって血糖値が高い状態が慢性的に続き、糖尿病を発症しやすいこともわかっています。
編集部
ストレスが多い生活を送っている人は要注意ですね。
髙橋先生
スウェーデンでおこなわれた研究によると、「ストレスを抱えている男性は、そうでない男性と比べ、2型糖尿病を発症するリスクが1.52倍に上昇する」ということが明らかになっています。そのため、ストレスマネジメントは、糖尿病の発症を予防するためにも重要なのです。
※この記事はメディカルドックにて【元記事タイトル】と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。
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