毛舌の前兆や初期症状について
通常、毛舌は無症状で経過し、舌の外観変化に気づくまで自覚しないことがあります。
しかし、細菌や真菌がたまって病変が悪化すると灼熱感が生じ、ヒリヒリ、チクチクする痛みが起こることもあります。食べ物を飲み込む際に軟口蓋にかゆみを感じたり、わずかな吐き気を覚えたりすることがあります。
また、舌表面の変化により、味蕾(みらい)という食べ物の味を感じ取る舌の器官に、食べ物の残りかすが蓄積しやすくなって、口臭や味覚の変化が起こる場合もあります。
これらの症状は軽いことが多く、日常生活に大きな支障をきたすことはほとんどありません。
毛舌の検査・診断
毛舌の診断には特別な検査はなく、主に臨床症状で診断されます。
典型的な所見として、舌の糸状乳頭が異常に延長し、角化が進んだ状態が見られます。
糸状乳頭が延長するのは主に舌の後方部分ですが、まれに舌表面の全体に及ぶこともあります。色調も多様で、黒色や褐色、黄色、赤色、緑色などの色を呈することがあります。
診断のときは、毛舌の原因を特定し、適切な対処法を決定するために、患者の基礎疾患や現在の投薬状況を詳しく聴取することも重要です。

