薬剤アレルギーの前兆や初期症状について
薬剤アレルギーではさまざまな症状がみられますが、最も多くみられるのが皮膚症状です。薬剤アレルギーによる皮膚症状は「薬疹(やくしん)」とよばれ、かゆみを伴う赤い発疹(紅斑)や小さく盛り上がった発疹(丘疹)、じんましんなどがあらわれます。これらの症状は、薬剤を使用したあと、数分から数日以内に出現することが一般的ですが、数日経過してから出現することもあります。
また、「ゼーゼー・ヒューヒュー」と音のする呼吸(喘鳴)や肺炎などの呼吸器症状、発熱、嘔吐、血圧低下、腹痛、下痢などがあらわれることがあります。重度の薬剤アレルギーでは、アナフィラキシーとよばれる強いアレルギー反応があらわれることがあり、急激な血圧低下や呼吸困難、意識障害など命に関わる症状が引き起こされるため、緊急での対応が必要です。
また、薬疹の中でも、命に関わる重症の薬疹とされているものに、中毒性表皮壊死症、スティーブンス・ジョンソン症候群、薬剤性過敏症症候群があります。
中毒性表皮壊死症、スティーブンス・ジョンソン症候群では、やけどのように赤くずるずると皮膚が剥けたり、水ぶくれやただれたりする(びらん)症状がみられます。
薬剤性過敏症症候群の多くは、発症までに3週間以上と時間がかかるのが特徴で、発熱やかゆみのある赤い発疹が生じ、全身の臓器まで障害がおよぶ可能性もあります。これらの重症薬疹は、早期に治療を行うことが重要であるため、速やかに医療機関を受診するようにしましょう。
薬剤アレルギーの検査・診断
薬剤アレルギーの診断では、症状と使用した薬剤に関する情報が重要です。どのような薬剤をいつからはじめたか、そしていつから症状が出現したか、今まで同じ薬剤を服用して同様の症状がみられたことがあるかなどを詳細に聴取し、薬剤アレルギーの可能性を判断します。
薬剤アレルギーが疑われる場合、皮膚テスト、血液検査、薬剤誘発試験などが行われます。
皮膚テストでは、原因として疑われる薬剤を皮膚に置いて皮膚が赤くなるなどの変化が生じるかを確認し、血液検査(薬剤リンパ球刺激試験)では、薬剤による刺激でリンパ球などが増殖するかを確認します。
実際にその薬剤を使用して症状が引き起こされるか確認をする薬剤誘発試験は、最も確実な薬剤アレルギーの診断方法ですが、重い症状が引き起こされる可能性もあるため、少ない薬剤量から慎重に実施されます。

