白内障の手術は、日帰りで行えて安全性の高い手術ではありますが、れっきとした医療行為ですので、当然のことながらリスクが伴います。そこで、薬では治らない「白内障」の初期症状と進行具合ごとの治療法について、安田向壱先生(めめ眼科船橋)に解説してもらいました。

監修医師:
安田 向壱(めめ眼科船橋)
埼玉医科大学卒業後、順天堂大学医学部附属浦安病院眼科に入局し、順天堂大学医学部附属浦安病院や国立国際医療研究センター国府台病院などで経験を積み、2024年5月、千葉県船橋市に「めめ眼科船橋」を開院、院長となる。日本眼科学会 眼科専門医、水晶体嚢拡張リング 認定医、屈折矯正手術 認定医
編集部
白内障とはどんな病気ですか?
安田先生
私たちの眼には、レンズのような役割を担う透明な「水晶体」があります。この水晶体の中のタンパク質が変性し、濁ることで発症するのが白内障です。白内障が進行すると、光が散乱し、視界がかすんだり、物が二重に見えたりすることがあります。また、まぶしさを感じやすくなり、視力も低下します。
編集部
どうして白内障になるのですか?
安田先生
白内障の主な原因は加齢で、60歳を過ぎると水晶体が徐々に濁り始め、70代以降になると多くの人に症状が表れます。ただし、年齢に関係なく発症する「若年性白内障」もあります。また、先天性、外傷による白内障などもあります。
編集部
白内障はどんな治療をするのですか?
安田先生
初期の白内障で、それほど見え方に影響がでていない場合は、白内障の進行を遅らせる薬物治療が選択されますが、これはあくまでも進行を遅らせる治療で、濁った水晶体を戻すものではありません。根本治療のためには手術が必要となります。
編集部
どんな手術ですか?
安田先生
濁った水晶体を取り除き、代わりに人工の眼内レンズを挿入する手術です。具体的に説明すると、超音波を用いて濁った水晶体を細かく砕いてから吸引して取り除き、眼内に人工のレンズを挿入します。個人差はありますが、通常10分程度で手術が可能なので、医療機関によっては日帰りで行われることも多く、手術翌日からほぼ普段通りの生活が可能になります。
※この記事はメディカルドックにて<白内障手術の合併症のリスクをご存じですか? 「後発白内障」「核落下」「術後眼内炎」とは>と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。
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