ついに不仲が両親の耳に入ってしまう
しかし、4度目の警察沙汰で、さすがに警察から私の両親に連絡が行ってしまいました。母から電話がかかってきた時の、あの悲痛な声。今でも忘れられません。
「由美子、哲司さんに手をあげられているの?すぐ帰ってきなさい!」
当然、両親は大激怒です。「すぐに離婚させないと」と両親と哲司の四人での話し合いの場が設けられました。
両親の前で、哲司は頭を床につけんばかりに謝罪しました。「もう二度と由美子に手を上げません。女性とも一切連絡を絶ちました」と、スマホの中身もすべて開示し、土下座を繰り返します。
それでも私の両親は猛反対しましたが、私は情がありました。それに、彼の言葉を、彼の涙を、もう一度だけ信じたくなってしまったのです。
「お父さん、お母さん。私は哲司とやり直したい」
両親の怒った顔、悲しい顔を前にして、私は再構築を選んでしまいました。親を裏切り、自分自身をも裏切ってしまった、あの時の決断を、どれだけ後悔したことでしょう―――。
あとがき:暴力と情の狭間で揺れる決断
不倫発覚後の喧嘩、そしてDVへとエスカレートしていく展開はつらいですね。由美子は、恐怖よりも「両親を悲しませたくない」「自分の決断を間違いだと認めたくない」という強い思いから、地獄への道となる「再構築」を選びます。しかし、DVは繰り返されるものであり、一度始まった暴力に終わりはありません。
この決断は、彼女が両親を裏切り、自分自身をも裏切った行為でした。彼女の献身的な愛が、逆に彼女自身を縛り付けてしまった悲劇的な回です。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています
記事作成: ゆずプー
(配信元: ママリ)

