健康診断における聴力検査の異常値・再検査基準と内容
健康診断で30dB以上の聞こえにくさが確認された場合や、左右で大きな差がある場合には再検査が推奨されます。再検査では標準純音聴力検査を行い、必要に応じてティンパノメトリーや耳鏡検査を追加して、中耳の炎症や耳垢の影響などを調べます。費用は保険適用内で収まり、数百円〜1,000円前後で受けられます。明らかな聴力低下や急な症状がある場合は、できるだけ早く耳鼻咽喉科を受診することが重要です。
「聴力検査」の異常で気をつけたい病気・疾患
ここではメディカルドック監修医が、「聴力検査」に関する症状が特徴の病気を紹介します。
どのような症状なのか、他に身体部位に症状が現れる場合があるのか、など病気について気になる事項を解説します。
突発性難聴
突発性難聴は、理由もなく突然起こる感音難聴で、朝起たら片耳が聞こえない、耳鳴りが急に始まるなどの症状が特徴です。治療はステロイド薬を中心に行われ、発症から1週間以内の治療開始が予後を大きく左右します。そのため、少しでも異変を感じたらすぐに耳鼻科を受診することが大切です。
メニエール病
メニエール病は、ぐるぐる回るような強いめまいと耳鳴り、難聴を繰り返す病気で、内耳にリンパ液が溜まる「内リンパ水腫」が原因とされています。治療は利尿薬やめまい止め、生活改善が中心です。症状を繰り返すことで聴力が徐々に低下することもあり、早めの受診が重要です。
中耳炎
中耳炎は子どもに多い病気ですが、大人でも発症します。耳の痛みや発熱、耳だれなどがあり、鼓膜の奥に炎症が起こると聞こえ方が悪くなることがあります。抗菌薬治療や鼓膜切開が必要となる場合もあります。
聴神経腫瘍
聴神経腫瘍は聴神経にできる良性腫瘍で、ゆっくりと進行するため気づきにくいことがあります。片耳の聞き取りにくさや耳鳴り、ふらつきなどが続く場合は精密検査が必要です。診断にはMRIが用いられます。
騒音性難聴
大きな音に長時間さらされることで内耳の細胞がダメージを受け、聞こえにくさが生じるのが騒音性難聴です。工場やライブ会場などの騒音だけでなく、イヤホンの大音量も原因となります。高音域から低下するのが特徴で、耳栓の使用や音量の調整が予防につながります。

