「聴力検査の正常値」はご存知ですか?異常値から見つかる病気も医師が解説!

「聴力検査の正常値」はご存知ですか?異常値から見つかる病気も医師が解説!

「聴力検査」は定期的に受けた方が良い?

加齢に伴う聴力低下は誰にでも起こり、自覚がないまま進行することがあります。健康診断の簡易聴力検査だけでは見逃される場合もあり、特に40歳以降は1〜2年に一度、耳鼻科での精密な聴力検査を受けておくと安心です。

「聴力検査の正常値」についてよくある質問

ここまで症状の特徴や対処法などを紹介しました。ここでは「聴力検査の正常値」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。

聴力検査の正常値は何dB未満なのでしょうか?

木村 香菜 医師

正常聴力は、日常生活で聴覚的な支障が生じない聴力の範囲とされ、平均聴力レベル25dB未満で、最高語音明瞭度80%以上と定められています。
一般的な健康診断や人間ドックでは、1,000、4,000Hzともに30dB以下が基準とされています。ただし、年齢とともに高音域である4,000Hzの聴力は低下するため、高齢者の場合は40dBほど聞こえれば異常なしと判定されることもあります。

耳が良いと言われるのは何dBなのでしょうか?

木村 香菜 医師

0〜10dB程度の聞こえであればとても良好な聴力といえます。若い世代にはこの範囲の方が多い傾向があります。

標準純音聴力検査とはどんな検査ですか?健康診断で受けられますか?

木村 香菜 医師

純音聴力検査は音の大きさの閾値を調べる検査で、耳鼻科ではより多くの周波数を用いて詳細に評価します。健康診断で行われるものは簡易版で、詳しい結果が必要な場合は耳鼻科での検査が必要です。

聴力検査は難聴の自覚症状がなくても定期的に受けるべきですか?

木村 香菜 医師

はい。加齢性の難聴や騒音性難聴は自覚なしに進行することが多いため、定期的なチェックを受けたほうがよいでしょう。

編集部まとめ

健康診断の聴力検査は、日常生活では気づきにくい聴力の変化を早期に察知するための貴重な機会です。25〜30dBを超えると注意が必要で、耳鼻科の精密検査を受けることで原因が明らかになることがあります。加齢や騒音による聴力低下は少しずつ進行しますが、突発性難聴など急に症状が出る病気もあるため、少しでも気になる変化があれば早めに耳鼻咽喉科を受診してください。

「聴力」の異常で考えられる病気

「聴力」から医師が考えられる病気は22個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。

耳鼻咽喉科系

突発性難聴

メニエール病

中耳炎(急性・滲出性)

聴神経腫瘍

騒音性難聴

老人性難聴(加齢性難聴)

外耳道炎

耳垢栓塞

脳神経内科系

脳腫瘍(小脳橋角部腫瘍など)

脳梗塞(特に脳幹部)

多発性硬化症

神経変性疾患

循環器内科系

動脈硬化

血流障害による内耳虚血

高血圧による内耳血流低下

内科系

糖尿病(血流障害による内耳障害)

甲状腺疾患

自己免疫疾患(AIED:自己免疫性内耳疾患)

ストレス・自律神経失調

薬剤性難聴(抗がん剤・抗菌薬など)

これらの疾患は、聴力検査での異常だけでは診断が確定しないため、耳鼻咽喉科での精密検査やCT/MRIなどの追加検査が必要になることがあります。

「聴力」の異常で考えられる症状

「聴力」から医師が考えられる症状は14個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。

関連する病気

耳が詰まった感じがする

耳鳴りがする(高音・低音・持続性など)

片方だけ音が響く、こもって聞こえる

めまい・ふらつきがある

音が歪んで聞こえる

人の声が聞き取りにくい

会話の聞き返しが増えた

耳の痛みがある

耳だれが出る

頭痛を伴う

集中力の低下・疲れやすさ

立ちくらみ

高音・低音どちらかだけ聞こえにくい

突然片側が聞こえなくなった

これらは耳の病気に限らず、脳や神経、循環器の異常が背景にあるケースもあるため、症状の組み合わせは診断の大切な手がかりになります。

参考文献

難聴対策委員会報告.Audiology Japan2020;63(4):279-282.

聴力検査の重要性-日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会

聴力 | 日本人間ドック・予防医療学会

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配信元: Medical DOC

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