手軽に冷凍ブロッコリーで作れる!「ブロッコリーのくたくたスパゲティ」【やわらかcuisine】

手軽に冷凍ブロッコリーで作れる!「ブロッコリーのくたくたスパゲティ」【やわらかcuisine】

ブロッコリーのくたくたスパゲティ
ブロッコリーのくたくたスパゲティ / (C)美窪たえ



体調がすぐれない、歯が痛む、なんとなく疲れを感じる日。そんな時は、自分自身や家族をいたわるための「ご自愛」ごはんを作ってみませんか? どんな時にもやさしくおいしく食べられる、食感がやわらかくて満足度の高いメニューのアイデアを持っておくと、いざという時にとても心強いものです。

note創作大賞2025「レタスクラブ賞」を受賞した、美窪たえさんのレシピシリーズ「やわらかcuisine」をお届けします。

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今日は、くたくたに煮たブロッコリーをソースとして愉しむスパゲティです。青青と茹でたブロッコリーの心地よい歯応えはこたえられませんが、フォークで簡単に切れるほど柔らかく煮てみるのもまた、新しい一面が現れておいしさが広がります。

歯応えを気にせず加熱するため、便利な冷凍野菜でとてもおいしく作れます。ブロッコリーの力強い緑色はちょっとやそっとの加熱では色褪せないので、盛り付けると勢いがあって目にも鮮やか。

日々の食事でぜひお愉しみください。

ブロッコリーのくたくたスパゲティ【1人分】

・ブロッコリー(冷凍)……150g
・にんにく……2かけ(約10g)、みじん切り
・オリーブオイル……大さじ2(炒め用、仕上げ用、各大さじ1目安)
・塩……1〜2g(小さじ1/3)

・スパゲティ(1.6mm)…80〜100g
・粉チーズ…適量(多め)

おいしさポイント
材料の数が少ないシンプルな料理は、それぞれの「適量」を「しっかり使う」ことが大切です。野菜とオイルで仕上げるこのパスタでは、ブロッコリー、にんにく、オリーブオイル、粉チーズ、それぞれやや多く感じるくらいが「適量」です。

特にオリーブオイルは、爽やかな風味とともになめらかさやコクを与える、パスタ料理に欠かすことのできない重要な「食材」。持ち味や役割を意識しながらしっかり使うと、とてもおいしくなります。
材料の数が少ないシンプルな料理は、それぞれの「適量」を「しっかり使う」ことが大切
材料の数が少ないシンプルな料理は、それぞれの「適量」を「しっかり使う」ことが大切 / (C)美窪たえ

ペペロンチーノのようなオイル系パスタで、水分がいつまでもしゃばしゃばして麺に絡まない時の理由の一つに「オイルが足りていない」ことがよくあります。オリーブオイルは単なる油ではなく“オリーブの実の果汁”と捉えて、むやみに控え過ぎず、使うべきところではしっかり使うのがコツです。

■⒈ブロッコリーを蒸し煮します
冷凍のブロッコリーは、調理を始める10分程前に冷凍庫から出しておき、大きいものがあればある程度揃えて切ります。(安全に切れれば良いので、完全に解凍する必要はなく電子レンジで軽く加熱するなどでも構いません。)

冷たいフライパンに、にんにくのみじん切りとオリーブオイルを入れてから中火にかけます。しゅわしゅわと音がし始めにんにくの香りがふわっと立ってきたら、すぐにブロッコリーと塩を加えて炒め合わせます。

ここで大事なポイントは、決してにんにくを色付けないことです。

にんにくとオイルを火にかけると、つい香ばしく色付くまでじっくり炒めたくなるところですが、このレシピでは、ガツンとくる香ばしさよりも、しっとり加熱したにんにくの甘さと旨みを最大限引き出して仕上げていきます。にんにくは、特有の香りだけでなく、たっぷり持つ旨みも大きな特徴。にんにくの香りが立ったら、すぐに次のブロッコリーを加えて炒め合わせてください。
⒈ブロッコリーを蒸し煮します
⒈ブロッコリーを蒸し煮します / (C)美窪たえ

にんにくが行き渡ってブロッコリーが温まってきたら、水(大さじ1)を加え、蓋をして弱火〜弱中火で5分程蒸し煮します。(生のブロッコリーを使う場合は、蒸し時間を2〜3分延ばして柔らかさを調整してください。)

■⒉パスタを茹でます
鍋に約1リットルのお湯を沸かして塩(小さじ2目安)を加え、パスタを茹でます。ちなみに、お湯が沸騰している状態でパスタ全体をお湯に沈めて軽く泳がせてから、そのあとは蓋を閉めて火を消して置いておくだけでも、茹でた状態のように仕上がります。

パスタもいわば乾物なので、お湯で戻すイメージ。吹きこぼれる心配が無いため、その間に洗い物を進められたりと、大変助かる方法です。蓋をして置いておく時間は、袋の表示の茹で時間から1〜2分を引いた時間が目安です。(パスタをお湯に入れてから混ぜてほぐすまでの時間分を引いて、9分茹での麺なら蓋をしてから約7〜8分置く)
⒉パスタを茹でます
⒉パスタを茹でます / (C)美窪たえ

■⒊パスタを和えて仕上げます
パスタが茹で上がり、ブロッコリーが茎まで柔らかくなっていたら、中火にしてパスタを加えます。

パスタの茹で汁に溶け込むでんぷん質がソースの乳化を助けるため、適度にフライパンに入るよう、私はトングを使って麺を鍋から直接フライパンに入れることが多いです。

さらにお玉半分(50cc)ほどの茹で汁を加えてしっかり煮立てたところに、オリーブオイル(大さじ1目安)を回し入れて、全体をよく混ぜ合わせます。
⒊パスタを和えて仕上げます
⒊パスタを和えて仕上げます / (C)美窪たえ

オイル系のパスタは、フライパンの中がくつくつと沸いた状態のところへオイルを足して混ぜ合わせると、乳化が進み麺によくからむなめらかなソースに仕上がります。最終的なソースの量は、茹で汁を少しずつ加えて好みで整えてみてください。

水分にとろみがついて麺につやつやとからめば、できあがりです。
水分にとろみがついて麺につやつやとからめば、できあがり
水分にとろみがついて麺につやつやとからめば、できあがり / (C)美窪たえ

ぜひ粉チーズをたっぷり振ってどうぞ。
ごろごろと存在感強めのブロッコリーは、見た目にはインパクトがありますが、いざ食べてみると驚くほどしっとりなめらかな舌触り。形はしっかり残っているのに口に入れるとほどけるような柔らかさで、特に潰したりしなくても、具ではなくきちんとソースとしてパスタになじみ、するりするりと食べられます。
ぜひ粉チーズをたっぷり振ってどうぞ
ぜひ粉チーズをたっぷり振ってどうぞ / (C)美窪たえ

ベーコンやアンチョビなどをあえて使わない、野菜メインで作るパスタは、その味わいだけで旨みも十分。盛り付けの印象も食べ応えにも物足りなさはなく、それでいて食べた後は軽やかで嬉しくなります。冷えた白ワインにも良く合います。

美窪たえさん
美窪たえさん / (C)美窪たえ

美窪たえ|おとな料理制作室
料理家、料理する人、食べる人。J.S.A.認定ソムリエ / SAKE DIPLOMA|OLからバーテンダー・日本料理人・フレンチコックを経て「おとな料理制作室」として活動中|note創作大賞2025 メディア賞「レタスクラブ賞」受賞|『おとな料理制作室へようこそ』(ワニブックス)
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